毎週のように本を買って読んでますけど
たまらん!
ってぐらいに面白い本に出合うことってそんなにないです。
それなりに面白いのならけっこうあるんですけどね~。
今回の本は滅多に出合わない たまらん! 面白さを感じる本の続編です。
最果てのパラディンII
獣の森の射手
柳野かなた
最果てのパラディンII 獣の森の射手 オーバーラップ文庫
柳野かなた
最果てのパラディンI 死者の街の少年 が面白すぎて久々に王道のファンタジーを読んだという気分になり、その続編が早くも登場するってことで期待値は高まらざるを得ない。
そんな感じで読むのが楽しみな本でした。
そして、読んでみるとその期待を裏切らない面白さ。
今回も王道で無骨で萌えの要素が欠片もない。
本当に昔ながらのファンタジー。
鋼と魔法の世界。
もう少し女性キャラが登場してもいいよなとは思いますけど。
1~2巻でまともに登場したのは育ての母であるマリー(ミイラ)とビィ(小人族(ハーフリング))だけです。極端に女性が少ない設定の世界ってわけでもないようなので、そのあたりは今後に期待したいところです。
1巻で旅立つことになり、2巻ではその旅の様子が描かれてるんですけど、伝説級の人物三人に育てられたウィルはよくある冒険もののように物語が進むにつれ少しずつ強くなっていくってわけでなく、すでに戦士としても神官としても一流の域に達してます。
旅の途中で知り合って仲間・友人になったハーフエルフのメネルが驚愕するほどの強さ。メネルも一流といっていいほどの精霊使いですが、ウィルの強さは常軌を逸したものになってます。
ウィルは自分が他者と比べて強すぎること、そのことに気付かないふりをして人々と接しようとしますが、それはメネルの負傷によって破綻してしまいます。
人間関係に悩みながらも前に突き進んでいくウィルの姿は読んでてたまらないものを感じます。戦闘力的な成長よりも精神的な成長の過程が面白い本なんだと思いました。
もちろんファンタジーの要素はしっかりあるので、昔ながらのファンタジーが好きな人なら問題なく面白く読めると思います。萌え的な要素は皆無ですけど今時のファンタジーが好きな人でも面白く読めると思います。それぐらいに面白い本です。
メネルは少女と見間違うような端正な顔立ちをしてるので、もしかしたら一部の人は萌えるかもしれませんが。腐的な意味で。
人々のために、神との誓約のために精進するウィルは今回物語のタイトルでもある 最果ての聖騎士 となります。旅の途中でワイバーンを屠り王国にも神殿にも人々にも認められ、吟遊詩人であるビィは詠います
いずこより来たりしや。いずこにて鍛え、いずこにて学びしや。
失われし流転の神、灯火の神の使徒となりと、ただ人はそれのみぞ知る。
その信仰の篤きは司教に等しく、その学識の深きは賢者にも等し。
しかして、その腕に秘められしは、飛竜を拉ぎし無双の剛力。
もしは三英傑の魂よ、その身に転じて再び武名を打ち鳴らすか!
灯火の使徒、飛竜殺し、強力無双、最果ての聖騎士
ウィリアム・G・マリーブラッド
白帆の都に現れし、新しき英雄の名を人よ知れ!.....
いかにもな熱さがあります。
こういうのが大好物です。
ちなみに途中で登場した三英傑はウィルの育ての親の三人、ブラッドとマリーとガスのことです。三人のことが二百年後の今でも語り継がれていることを旅の途中でビィの奏でる詩によって知ったウィルは感慨深げでした。そしてその目には涙がうっすらと...
聖騎士になってからも大活躍、悪魔・魔獣が跋扈する森を平定し領主になりそうな勢いです。
ということで続編も間違いなく面白いよな!って予想できてしまう作品でした。