大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう
大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう 両国橋の御落胤
の続編です。
大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう
千両富くじ根津の夢
山本巧次
大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう 千両富くじ根津の夢 宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ
山本巧次
サブタイトルに千両富くじってあるので、それが主題になるのかなと思ってたんですけど、それがそれほどでもなく物語りの流れ全体には関わってくるけど読み終えて印象に残ったのは作中で語られる盗人・疾風の文蔵でした。
ってことでサブタイトルは別のでもよかったのでは...
と、思わなくもなかったです。
面白かったので全然問題ないんですけど。
さて、今回は金物細工職人の猪之吉が行方不明になって女房の おせい が おゆう こと関口優佳の元に捜査依頼に訪れるところから物語が始まり、千両箱盗難事件に岡っ引殺人事件とドンドン事件が大きくなり、1巻・2巻同様に おゆう が現在と江戸時代を行ったり来たりで友人の変人分析オタク・宇田川の力を借りながら科学捜査を駆使して事件の手掛かりを得て解決に導くってな感じです。
時代劇なんかでよくみかける嫌味な岡っ引やらいかにもなヤクザ者やら引退したけどまだまだ現役バリバリで働ける元岡っ引の爺さんやら盗人やら悪徳坊主やらと普通に時代モノとしても楽しめる要素タップリです。
そういう定番な楽しさって大事だと思います。
そこにSF要素が加味して時代モノ好き以外も楽しめる面白い本になってます。
現在の科学捜査の結果をどうやって江戸時代で活かすのか?とか、おゆう の正体はバレないままなのか?とか、おゆう と南町奉行所定廻り同心・鵜飼伝三郎との仲はどれぐらいどういうふうに進展するのか?などなど毎回のことながら気になることがイッパイです。
時代モノとSFといえば個人的には半村良がツボです。
「石の血脈」「産霊山秘録」「妖星伝」
なんて面白すぎてたまりませんでした。
NHKでドラマ化された 講談 碑夜十郎 は原作もドラマも面白かったです。
また再放送してほしいものです。
NHKの大河以外の時代モノって面白いのが多いんですよね。
ということで是非とも 大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう もドラマ化してほしいものです。演者や脚本次第なんでしょうけどかなり面白いことになりそうです。