今回はちょっと昔のラノベのことでも。
1巻の初版が2000年ですから無茶苦茶古いってわけでもないですけど。
DADDYFACE
伊達将範
DADDYFACE 電撃文庫
伊達将範
とりあえず今回は1~3巻までの感想をまとめて書いてみようと思います。
4~7巻はDADDYFACEメドゥーサってシリーズになってるので。
1巻は当然ながら物語の始まりで、かの有名な「竹取物語」がメインテーマになってます。
貧乏大学生で冴えない主人公・草刈鷲士の家族とのややこしい人間関係が面白いです。
双子の子供(姉弟)がいるんですけど、その歳の差は...
倫理的に問題ありまくりな年齢差の親子ですけど、まあそのあたりは架空の物語ってことでOK。ギネス級の親子です。
母親の生死やらなんやらは鷲士にはうやむやにされたまま物語は進んでいきますが、そのあたりの事情は本を読んでれば一目瞭然なのでモヤモヤしたり面白かったり。
竹取の翁が異常に強いムキムキマッチョな爺さんで、婆さんが鬼になってたり、かぐや姫の正体が来訪者(宇宙人)だったり、爺さんがかぐや姫のあまりの美しさにヤラれて婆さんそっちのけでアカンやろ!って方向に突進してたり。
伝奇的な物語が好きな人も十分に楽しめる本になってます。
皆川亮二の名作・SPRIGGAN のような面白さも感じたり。
竹取物語ってかぐや姫が月に帰るところまでは誰もが知ってたりしますが、そこに不死の薬がからんでたりするのって知らない人が多いです。
当然ながら物語に不老不死の薬も重要な要因としてしっかりからんできます。
そして何故に主人公親子がそんなとんでも事件に巻き込まれていきます。
何故に?
それは娘の結城美沙がトレジャーハンターだからです。
そして母親の家系は超絶な大金持ちの財閥関で自信も世界規模で影響力のある会社のオーナー。
しかも母親の家系の先祖には来訪者が。
これでもか!ってぐらいにラノベ的要素がそろってるます。
ということで大好物な物語です。
しかし、好物がそろってるからといって面白いとは限らない。
ですが、このDADDYFACEという物語は何度か読み返してますが面白いです。
興味があっても古い本ですから新刊で買うのは難しいかもしれないので古本屋やネットで古本を探してみることをオススメします。
2巻(DADDYFACE 世界樹の舟)では北欧神話が物語の主軸になり、
3巻(DADDYFACE 冬海の人魚)では人魚伝説・八百比丘尼伝説が主軸になります。
どちらもラノベ好きにはタマラン展開で、悲恋があったり、主人公の悲しすぎる過去が明らかになったり、世界レベルの壮大な事件に巻き込まれたり。
主人公・草刈鷲士は一見冴えない大学生ですが、伝説の古武道・九頭竜の使い手で、九頭竜は巨大で熊の腕に蛸頭ってことで、まあ九頭竜=クトゥルーなんだろうなと。
子供である美沙と樫緒の母親との馴れ初めもかなりドラマチック。
全然違う物語りなんですけど、ちょっと昔のジャンプコミックスの 空のキャンバス を思い出してしまいました。
ヒロインを救うために自身が大怪我を負って云々かんぬんってところが。
1~3まで一気に読み進めたくなる面白さがあります。
4~7までも面白いんですけどね~。
そちらの感想はまた後日にでも。