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真理を求めて

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2012.04.22
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安冨さんが第4章で語るのは貨幣、すなわち金についてだ。ポイントとなるのは、これは便利なものではあるが、使い方を間違えると失うものがあるということだ。それは人と人をつなぐ「信頼」というもので、貨幣は、信頼なしに人と人を結びつける便利さがあるので、この便利さに頼りすぎると、信頼そのものを得ようとすることが難しくなる。

貨幣はどんな商品とも交換可能だ。金さえあれば物はすべて手に入る。とりあえず生活の糧を手に入れることは出来る。生命を維持することは可能だ。だが人間が生きるというのは、単に生命が維持されていればそれですむものではない。生き甲斐、あるいは幸せというものは金では手に入らない。

安冨さんは、貨幣なしで生活をするドイツ人ハイデマリー・シュヴェルマーという女性を紹介している。彼女は「知らない人とでも信頼し合い、交換し分かつことが出来、それによってともに楽しみ、最後には友だちになることも出来る」という考えの実践のために貨幣なしの生活という実験に踏み切ったそうだ。

他者に頼る第一歩はどのようにして信頼関係を築くかということから始まる。それはすでに築いていたネットワークを使って、信頼関係で結ばれる人間関係というものの構築をしたらしい。全く見ず知らずの間では、やはり信頼関係は難しいと思われるので、その基礎は必要だろう。だが大切なのは、信頼関係が基礎であって、何か能力があったり財力があったりという関係を基礎にして人間関係をつくるのではないと言うことだ。

信頼関係が基礎にあれば、何かあったときに助けてくれるということを期待できるだろう。この信頼関係というのは、助けというのももちろん期待できるが、実は生活の全般にわたって良い方向への変化をもたらすきっかけを与えるのではないかと思う。貨幣がない方が信頼関係の構築が本物になり、貨幣があるとこの信頼関係を築くのが困難になるという逆説を、このドイツ人女性の実践が教えてくれているように感じる。

我々は自分の楽しみのために金を注ぎ込むのはあまり躊躇しない。趣味に大金をつぎ込む人もいる。しかし、寄付やカンパを惜しみなく出す人は少ない。他者への支出は、その他者への信頼度で気分が違ってくるように感じる。本物の信頼関係を築いている相手が少ないのではないかと思う。

誰から聞いた話だったか忘れてしまったが、もう退職した年輩の人が、かつて貧しかった時代に同僚が給料を無くしてしまったので、自分の給料を封を解くこともなく渡してしまったという話を聞いた。その人はご主人の収入があったので一月くらいがまんが出来ると思って、同僚があまりに困っていたので渡してしまったらしい。

いくらいい人だといっても、自分の給料をそのまま渡せる人は少ないだろう。思いやりの心と同僚への同情心の厚い人だったのだろう。だがどういういきさつかはきかなかったが、この同僚がいなくなってしまったらしい。そして年月の経過でそのことをすっかり忘れていたようだ。

そんな日々を過ごしていたときに、かつて給料を借りた元同僚がはるばると訪ねてきたという話から、このことを僕は聞いた。そのお金を借りた元同僚は、その後事情があって土地を離れなければならなくなり、借りた金のことがいつも心に引っかかっていたという。そしてようやく返せる日が来て、訪ねてきたという。

彼女の信頼感が裏切られなかったというのに僕は感動した。本物の信頼は、こうして他者の心にも届いて、それに応えようとするものだと感じた。この感覚を実感として身につけるのはとても難しいだろう。でも、金よりも信頼感の方が人を幸せにするということは、一度経験すればその方が真実だと思えるようになる。

この章は金のことを語っているけれども、それよりも信頼の方が大事だということを語っているようにも見える。僕は教育に携わっているが、教育においても、能力よりも信頼関係の方が基礎的なものではないかと思っている。信頼できる相手からものを教わるというのは、能力に見合った効率的な教育よりも、深くて、より本物だと思えるものが学べるのではないかと思っている。僕は、この章から「信頼」というキーワードを学んだ。





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最終更新日  2012.04.22 23:33:08
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