ビッグイシュー358号
「ビッグイシュー358号」ゲット!特集に入る手前の「世界短信」に、メキシコシティの巨大壁画が「エアライト」という光合成をする塗料で描かれている、と書いていた。その洗浄効果は同じ面積に植えられた樹木と一緒らしい。これが世界に広がればいいと思う。特集は「森の時間」。リード文は以下の通り。なぜだろう? 森に入れば心が安らぐ。日本列島の約3分の2は森林、私たちは古来、樹脂、木炭、山菜、薬木、薬草……と森の恩恵を受けてきた。今、森は遠くなったのに、きりりとした空気やかすかな樹木の香りは気分をさわやかにしてくれる。新緑の5月、森へ分け入り、身体の記憶をひも解いてくれる3人に教えを受けた。東北地方の森の写真を撮り続ける南日伸夫さん(写真家)からは、5月の「森時間」が流れる写真とエッセイが届いた。森林資源や森林浴などについて研究してきた谷田貝光克さん(東京大学名誉教授)には、“月に1~2度の森林浴でがん予防効果が期待できる”など知られざる樹木の香りについて聞いた。中川重年さん(玉川アルプホルンクラブ)は30年間、森の間伐材で楽器アルプホルンを手作りし仲間とともに国内外でコンサートやイベントに参加してきた。森に響くアルプホルンの魅力を聞いた。森を身体で感じ、楽しむ方法を知りたい。この中で興味深かったのは、ガン予防に効果があると説く谷田貝光克さんのお話。とは言っても、劇的な効果を持つものではない。昔ながらの生活は、ちょっと身体にいいよ、と思うぐらいでいいのかも。「ビッグイシューEYE」では、東京あきる野市「五日市憲法」を見つけた1人である新井勝紘の人生が興味深かった。明治100年に、色川大吉のゼミで行った土蔵調査で見つける。新井氏は、その後50年間五日市憲法にこだわり続けて研究を続けて、専修大学教授になっている。一つの謎から広がる世界と人生。氏の最近の著作「五日市憲法(岩波新書)」を読みたくなった。