まあいいか
夫の親類から、悪意はないのだろうが楽しからぬ事を言われ、気持ちがささくれ立った。どうにもぐったりして元気も出ない。腹立ちを抑えながらこういうことがあったという事実は夫に伝える。夫は「何かと行き違いはこれからもあるかもしれない」と言う。以前なら「言うことはそれだけ?」と不機嫌になっていたかもしれないが、最近『恋愛脳』を読んだばかりなので、今は私も些か反応が違う。彼は彼なりに私の言わんとするところを察したのだろう。しかし、それは彼の親類に関わることでもあるのでややこしいことにしたくない。彼なりの苦衷の台詞なのだ、と思う。もっと言いたいことがない訳ではないが、それ以上は言わない。言ったところでお互い不愉快になるだけだ。事実は伝えたのだからもう良い。気持ちは低空飛行のままだが、気持ちを切り替えて普通に過ごす。寝る前のひと時、本を読んでいた夫が黙って労わってくれる。波立っていた気持ちが凪に変わった。まあいいか。私も単純な奴なのだ。明日になればもっと元気になれる。天気もよくなりそうだし。