中華料理
今日は仕事で屋外にいたり、その他にも何やらがたがた忙しく、8時半からエアコンなしの職場でノンストップ立ちっ放し歩きっ放し状態。結局まともに息がつけたのは1時半。やれやれ。帰宅後は誘惑に勝てずエアコンのスイッチを入れる。子どもと水シャワーを浴びて、部屋が気持ちよくなった頃昼寝をしてしまう。自分が溶けるような昼寝はまさに天国。目が覚めて夕食のメニューを考える。夏の暑い日に中国で何を食べていたか考える。今日は茄子の気分じゃない。やっぱ胡瓜だろうな。もやしと一緒に和え物にしよう。酢とごま油と塩。ねぎとしょうがを少し。鶏もも肉があるし、夫のつまみ用に買ってある殻付きピーナツもある。ししとうもあるから辣子鶏丁にでもしようか。カシューナッツを使ったのは有名だが、中国北部ではピーナツバージョンも珍しくはない。というかそっちが普通かも。という訳で子どもを動員してピーナツの殻と皮を剥く。子どもと学校であったこと、本の話、地球全部で砂がいくつあるか(笑、などなどあれこれ話しながら殻を割り、薄皮を剥いてボウルに入れる。 中国ではずいぶんいろいろな人のお宅にお邪魔して食事をご馳走になった。レストランでご馳走になる、ということはあまりなく、普通は手料理。「だって、外の食堂なんて美味しくないだろう?」と彼らは異口同音に言う。確かに中国人の家庭料理は美味しい。中国人の家に行くと、お茶とひまわりの種と飴、季節の果物が出てくる。洋ナシの形なのに中身は水分の少ない日本の梨のような鴨梨は、割って食べると「別れる」の意味になって縁起が良くないからと必ず1個で食べることになっている。うっかりすると食事が始まる前から腹いっぱいになりかねない。しかも料理がさんざん出た挙句に山盛りの水餃子、というのがデフォルトだと知った後では最初はとにかく油断しない(何を?)ということを学んだ。料理ができるまで話をすることが多かった(なにせ外国人だから)が、料理を作るのを手伝ったこともある。インゲンの筋取り。エンドウをさやと豆に分ける。じゃがいもの皮を剥く。そんな仕事をしながらあれこれ話すのもまた楽しかった。 もやしをゆで、胡瓜を千切りにする。ねぎとしょうがも千切り。 中国で野菜を買うならとにかく市場に行くに限る。スーパーには日本のようなパック詰めもあったが、美味しそうじゃない。市場に行って、山積みになった胡瓜を選んで計ってもらう。どっさり盛られたもやしを500g単位で買う。にらは1束が日本のスーパーで売ってるのの5束分はある。量が多いので、今日のおかずは今日買った野菜1~2種類を使ったもの。保存の利く野菜類以外は買った分をその日のうちに食べ切ることが多い。だから野菜を使った炒めものは1種類のみで作るのが普通。にらたま炒め、とかキャベツ炒め、とか胡瓜炒め、とか。 下味を付けた鶏肉を揚げる。次はピーナツを揚げる。最後にししとう。うちの紹興酒はもっぱら料理用として消費される。 遊びに行った家で、男性が腕を振るうことは少なくない。大学の先生がピーナツを揚げている。お医者さんが「この間新聞で新しい魚料理の作り方を見たから」と鼻歌を歌いながら立派な鯉を料理してくれる。銀行員が作った豚足の煮込みはとても美味しかった。中国で食べたあれこれが忘れ難く、中国で料理の本を買って帰った。昔買ったのは紙質も悪く、変色もしているが今も大事に持っている。その中でも外文出版社という外国語の書籍を出版している所から出ていたカラー写真付きの『中国の家庭料理』という本は、ほとんどバイブルである。 8時。夫が帰ってきた。ここのところ忙しい。職場が機械警備で閉まる直前まで仕事をし、帰宅後も寝る直前まで仕事をしている。彼は「悪いから食べていて」と言うのだが、中華料理なら熱々を出さなくてはならないので夫の帰宅を待ってから夕食にする口実になる。涼拌豆芽(もやしと胡瓜の和え物)を完成させる。揚げておいた鶏肉、ピーナツ、ししとうを唐辛子少々と共に一気に炒め、塩をふる。味付けはあくまでもシンプルだがなかなかどうして美味しい。辣子鶏丁(鶏肉とししとうの炒め物)完成。中華料理はみんな揃ってテーブルを囲むのが最大の作法。家族みんなでご飯を食べたい時は中華に限る。かくて我が家では連日中華。どこの国の人の家なんだか(笑これの和え物って美味しいんだけど、干豆腐ぐらい自分で作った方がいいかも。