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テーマ:ヨーロッパ旅行(4187)
パルマ川のほとりに建つ、大きなお屋敷。中世パルマ公国の領主、ファルネーゼ家の宮殿だったところです。 一般にはピロッタ宮殿と呼ばれていますが、大きな建物は現在国立美術館や、考古学博物館として公開されています。 宮殿というよりはお城といったほうがよさそうなくらい大きな建物は、1階部分はこうした回廊が多く、実際にパルマ川とパルマの町とをつなぐトンネルのような感じがします。 この建物の3階部分が美術館。 光と影のコントラストが建物に生気を与えていますが、日中は日差しが強いこの時期、石造りの大きな建物は日陰に入るとひんやり、さわやか。 気候そのものも、湿気が少ないからか、日差しをさえぎればずいぶんと涼しく感じます。 「イタリア都市の諸相」の著者、野口昌夫氏は、著書の中でイタリアにおける納涼の3原則として 1)、ガラスを通る日射をさえぎるためにペルシアーナ(よろい戸)を閉める 2)、外の熱い空気が入らないようにガラス戸も閉める 3)、電球も多少の熱を発するから消す と書いています。 私たちがこの3原則を想像すると、『真夏の昼下がり、よろい戸も窓も締め切って真っ暗な部屋で過ごすイタリア人』ということで、カナリ違和感を感じるかと思います(笑) でも、自分でも実際に夏にイタリアに行ってみて、この3原則がちっとも大げさでないことを知りました。 これも野口氏の受け売りなのですが、高温多湿に暮らす私たちにとっては涼をもたらすモノは「風」。じっとりとした重たい暑さを揺らす風の存在こそが涼を感じる「イメージ」なので、窓を閉め切るどころか、「打ち水」、「うちわ」、「すだれ」、「風鈴」といった小道具で涼を演出してきました。 対するイタリアはというと、カラっと乾いた地中海性気候。重たくのしかかるような湿度がなければ、単純に熱伝導を遮断することによって現実的な「涼」を取ることができる、ということなんですネ。 いわゆる「断熱」にこだわった住まい造りだからこそ、こうして数百年前の建物に暮らすことができるのかもしれません。 外に出れば、灼熱の日差し 古いお屋敷の日陰にたたずみながら、「涼」の取り方にもお国柄があるということをぼんやりと思い出していた私です。。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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