主な上場企業の第2四半期決算がほぼ発表されたが、東日本大震災の悪要因を乗り越え、概ね堅調な決算だった。しかし、決算発表に臨んだ社長・役員の共通する懸念の言葉は、1ドル=76~77円となっている超円高である。
◎マイナス成長の日本の円が買われる不条理
デフォルト懸念の消えた問題のアメリカは、不振とはいえ年率1.5%程度の経済成長率を達成している。ギリシャやポルトガルなど南欧諸国の支援に追われるEUも、全体で見ればプラス成長だ。1人、日本だけが、マイナス成長なのだ。
その日本の円が買われるのは、どう見ても正常ではないし、理屈に合わない。投機筋の餌食になっているだけだ。その投機筋に、日本の企業が死命を制せられ、国内の空洞化が加速する。これは、どう見ても不条理である。
だからここは、何としても為替介入して円高を押しとどめなければならない。米欧の協調介入が効果的だが、それが望めなくとも米欧の共感を得られれば投機筋に痛い目を合わせられる。
ところがバラマキスト民主党政権は、音無しだ。バラマキスト民主党政権の介入姿勢を試す投機筋によるドル売り・円買いは、こうしている間にも膨らみ、投機筋のドル売り・円買いの回転がきいているからさらに膨らむ。
◎バカの1つ覚えとはこのこと、野田の「為替を注視する」
財務相の野田は、ポストボケ菅の代表選出馬への煮え切らない態度ですっかり男を下げた。そのうえ超円高に対して、介入もせず、ただ「為替を注視する」というワンフレーズである。
注視している暇はない。今は一刻も早い断固たる円売り・ドル買い介入の局面である。
株式市場は、それを急かすように昨日は200円以上の大幅下げとなった。輸出企業の採算悪化は、冷え込んだ景気をさらに冷え込ませるばかりか、長期的な生産拠点の国外移転・空洞化を招くと懸念しているからである。
写真は、1年前の為替水準と株価水準。為替は10円弱も高く、株価は2000円以上、安くなっている。これも、すべてボケ菅政権の不始末である。
昨年の今日の日記:「森と山と歴史と--軽井沢に行ってきました:中山道、追分宿、旧軽井沢、離山」
追記 今朝の日経新聞最終版トップに、日立と三菱重工の経営統合のビッグニュースが報じられた。重電の日本最大メーカーと機械の日本最大メーカーの統合で、世界最大規模の総合インフラ企業が誕生する。これもまた、日本の超円高と恒常的エネルギー不足の危機に対するメーカーの側の対策である。民間企業は、政治の鈍感さを待っていられないということだろう。