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Feb 9, 2009
カテゴリ：イタリア生活
先週金曜の夜、ローマ近郊でこんな事件があった。 ローマ在住のマルコさん、３６歳が奥さんと車で帰宅途中、 いきなり反対車線を走っていた車が暴走し、 マルコさんの運転していた車に正面衝突した。 マルコさんは即死。 奥さんは上半身を打撲して重症。 この暴走した車を運転していたのは、ルーマニア人の ダニエルさん３５歳。 ダニエルさんは明らかに飲酒運転で、目撃者によると この現場から３ｋｍくらい離れた所を、ものすごい勢いで ジグザグ運転していたそうだ。 ダニエルさんは正面衝突をしたにも関わらず、車からヨロヨロと降りて 脚をひきずりながら、道路の向かい側にあるバールに入って ビールを注文し、バールのテラステーブルで飲んでいたという。 この事故現場を目撃した若者達は、すぐに現場で救急手当てなどをしていた。 しかし数分後、事故を引き起こしたダニエルさんが 向かいのバールで一杯飲んでいるとわかり、怒りが爆発。 殴る、蹴るなどのリンチ状態になりそうなところを 事故の通報で現れたカラビニエーリ（警察のようなもの）が取り押さえ、 ダニエルさんを救急車に押し込んで、騒ぎはどうにか収まった。 なお、ダニエルさんの運転していた車は、後に盗難車だと発覚。 この報道、土曜日の夕方のニュースで見た。 あまりにも信じられない事件だったので、聞き間違いかと思った。 まず飲酒運転（または薬物運転）で事故を起こしたのに、 当人は自覚が無いほど酔っ払っていたのか、車から降りて またビールを注文していた事。 そしてこの事故を目撃していた一般市民（若者達）が 怒りを爆発させ、グループで１人の人間を殴る、蹴るなどの ほぼリンチ状態に扱ったこと。 この数ヶ月、どうもこういう危ない報道が多い。 ローマ郊外の駅の外にあるベンチで寝ていたインド人に 「暇つぶしに」 放火した未成年者を含む３人が逮捕されたり、 同じくローマ郊外で若いカップルが外国人グループ５人に襲われて、 男性は車のトランクに入れられ、女性は近くの空き家でレイプされたりとか。 こういう類の 「グループによる犯罪、暴力」 のニュースを 毎週のように目にする。 以前にもローマ郊外で、数人の若者がバス停でバスを待っていた 中国人男性にいきなり襲いかかるという事件もあった。 私がイタリアに来た１２年前は、移民といえば 北アフリカ系、そしてスラブ系のアルバニア人が大半で 北アフリカ、モロッコ人などは路上で物売りをしたり 小さな村などでは一軒一軒訪ねていってカーペットなどを 売りに来たものだ。 アルバニア人は難民として欧州に入り、そのあとアルバニア人の マフィア組織がドラッグや売春などを操っていた。 とにかくあの頃は、この移民達が一般ではかなり嫌われていた。 あれから１２年。 物事は変わるもので、アルバニア系の悪さはほとんど耳にしなくなった。 その代わり、ルーマニア系がひどい。 彼らにも多分組織があるのだろうが、昔のアルバニア人と同じような事をしている。 窃盗、薬物、レイプ関係の事件があると、ほとんどが ルーマニア系なんじゃないか？ なんて思うくらい、ワンサカ名前が出てくる。 そういうわけで、前から移民には閉鎖的だった北イタリアの住民。 何か事件があり、移民がらみだと 「自分達の手で」 成敗しよう なんていう、いわゆるファーウエスト的な行動に出てしまう人もいるようだ。 こんなわけで、最近イタリアは住みつらくなったなぁ・・・・ と思うことがある。 最初に書いたこの事故の件で、テレビのインタビューに答えていた 何かしらの知識人は 「イタリアには人種差別がある。 今回の事件で住民がリンチをしようとしたのは、そういう人種差別の 風潮があるからだ。」 と答えていた。 確かに人種差別はイタリアにはある。 でも今回の事故と一緒にするのはどうだろう。 事故を起こした本人が、相手側のことも気にせずに、 ヨロヨロと車から降りてまた飲酒しようとしたら、 それを目撃した人たちが怒り狂っても仕方がないのではないか？ これはイタリア人が同じ事故を引き起こしても、他の人種であっても 目撃者の怒りは変わらないと思う。 ただし、集団で暴力を振るわず、警察が来るまで取り押さえるなどの 行動で止めておくべきだった。 とにかく複雑な気持ちになってしまう事件だった。  お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう
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