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浦島にきーたin Italy

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ねこ級@ 2014年 あけまして おめでおとうございます かなり前にイタリアの綺麗な景色をこの ブ…
カーサン4452@ 。゚+.謹賀新年゚+.゚(○゚∀゚)(○。_。)ペコッ お元気ですか~? 今年もよろしくお願いい…
lovetoknit@ Re[1]:あわれだよ、ここまで無知だと・・・・(05/28) 逃亡者38号さん♪ おにーさま、病の床か…
逃亡者38号@ Re:あわれだよ、ここまで無知だと・・・・(05/28) 少々 情報を。 フィリピン人は その知…
lovetoknit@ Re[1]:あわれだよ、ここまで無知だと・・・・(05/28) satomama8799さん♪ おっしゃるとおりです…
satomama8799@ Re:あわれだよ、ここまで無知だと・・・・(05/28) 後進国ゆえの、無知・無教養・思想・思考…
lovetoknit@ Re[1]:あわれだよ、ここまで無知だと・・・・(05/28) カーサン4452さん♪ なんだかね、次元を超…
カーサン4452@ Re:あわれだよ、ここまで無知だと・・・・(05/28) もう、こうやって外国人をサポートしよう…
lovetoknit@ Re[1]:真夜中の嵐(05/12) satomama8799さん♪ 登山は楽しかったです…

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Mar 15, 2009
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カテゴリ:イタリア生活





昨日の続きで、リグーリアの海の町を訪れたお話。



のんびりとした1日を過ごし、近くのジェラテリア(アイスクリーム屋)で

アイスも買って、食べながらのほほ~~んとしていた時の事。




初老のおじさんが後ろからやって来て、イタオヤに「物乞い」をし始めた。



時々ジプシーの物乞いとか、生活に困ったイタリア人の物乞いを

都会にいくと みかけるので、その類だと思った。



イタオヤはアイスを食べながら、無視しようと普通の速度で歩く。



ところが そのおじさん、

イタオヤが、「No」 と言ってもなかなかあきらめない。



何となく雰囲気が怪しくなってきたので、私は距離をおくことにして

その場に立ち止まり観察する事にした。



そのおじさん、物乞いの仕草とでもいうのか、片手をイタオヤに向けて

差し出している。


イタオヤは無視しながらアイスをなめる。



イタオヤの近くを犬を散歩させているおばさんが通る。


このおじさん、あきらめておばさんにつきまとうかな?

と思ったら、予想ははずれてイタオヤに付きまとう。



そのうちそのおじさん、イタオヤの肩に腕をまわして

なにやら慣れ慣れしく触っている。



こりゃヤバいな、もしかしたら新手のスリかもしれない。

と私はそろそろ大声でも出して、騒ごうか・・・・


と思っていると


イタオヤはジーンズのポケットから小銭を出し、そのおじさんにあげた。



おじさんは喜んで、またイタオヤの肩に腕を廻して

お礼を言ったようだった・・・・



やっと物乞いから逃れたイタオヤ。



このおじさん、今度は犬の散歩のおばさんにアタックだな・・・

と思ったが、おじさんはおばさんを素通りして、近くに止めてあった車

の運転手にまとわりつき始めた。




なんなんだ、一体 ?



私は近くで見ていてもうドキドキしっぱなし・・・・

手に持っているアイスは溶けちゃうし・・・


イタオヤもちょっと落ち着かないようで、少し安心したようで・・・・




おじさんがいなくなったので、私はイタオヤとおばさんが

話しているのに参加する。


おばさんは地元の人で、彼女によると、この物乞いのおじさんは

この近所に住んでいる、元精神病院患者 だというのだ。



昼過ぎになると外出して、物乞いをするそうだ。


おばさん曰く、


「本当に困ったものね。  もうかなりの年だと思うわ。

病院が無くなってから、しばらくは家族が近くにいて

人に迷惑をかけないようにしていたけれど、政府の補助金が

削減されてから、家族だって24時間そばにいてあげることもできないし。

その結果がこんな野放しで・・・・

昔はそれでも、『看護師さんを呼ぶわよ。』 の一声で、

逃げていったものなの。  でも最近はその手も使えないし。」




そうか・・・・・

おじさんの雰囲気が普通じゃないのは、ひとめでわかる。


決してホームレスのようないでたちではないが、かなりのお古を

着ていたし、髪もぼさぼさで普通というには違和感がある動作。




ちょっと気を取り直して、私はおばさんに聞いてみる。



「でも、観光客とかがこわがったりしませんか?

このまま野放しなんですか?」




「はぁ・・・・(とためいき)

精神病院は確かに人道的ではない面もあるけれど、廃止してしまった今、

こういう障害のある人達が他人に迷惑をかけても、

どうすることもできないのよ。

ハイシーズンには警察も多く出回るから、観光客に迷惑を

かける人はちょっと連れていかれたりして、お説教されるみたいだけど、

また次の日になれば町に戻ってくるし、犯罪を犯すわけではないから

逮捕するわけにもいかないし・・・・」




「これが私達の住む社会なのさ。」


というイタオヤの一言で、おばさんも納得して会話は終わったが、

とんでもない事だなと思った。





イタオヤの分析によると、


ダイヤこのおじさんは、いわゆる 「よそもの」 がお目当て。

地元民は慣れっこで、収穫がないから。


ダイヤ女性は恐がって大声をあげたりするので、警察が飛んでくるだろうから

女性を避けて、男性をターゲットにする。



ということらしい。



確かに、私に付きまとってきたら、最初は 「やめて!」

というだけだろうが、あまりにもしつこくされたり、

触られたら、絶対に ぎゃ~~ と叫んでシーンになっていただろう。





実はとても皮肉な事がある。



この日の朝、テレビで精神病患者についての特集をしていたのだ。


精神病院が廃止された事で、患者を抱えた家族の苦悩とか

先週トリノで患者が家から抜け出し、見も知らぬ親子を

刺殺した事件などについてだった。



丁度寝ぼけながら朝食を摂っていた私は、

「なるほどね~~  大変だね~~」

と思っていただけ。


まさか数時間後、実体験をするとは夢にも思わなかった。




帰りのドライブ中に、このコゴレートでの一件を話しあう。


イタオヤはこういう物乞いタイプに時々つきまとわれるが

あくまで冷静な態度をとる。


前にトリノの中心街で、車を駐車したら浮浪者が出てきて

「タバコをくれ。」 とせがまれた。



タバコを吸わないイタオヤは、ポケットに手を入れて、

ミントキャンディーを出し、

「タバコはもう吸わない事にしたんだ。」

と言ってキャンディをその浮浪者にあげた事もある。



「キミは怖いからって、大声を出したり逃げようとしたりするだろう。

こういう人達には、普通の態度で接する方がいいかもしれないよ。」



そんな風に言うのは簡単だが、私はやっぱり慣れていないし

多分無理だと思う。




ふとイタオヤがこう言った。


「それにしても、キミは夫が絡まれて大変な目をしているというのに、

遠くで見ているだけだったね。

こういう時こそ夫婦で助け合うものではないか?」



        ドキッ!! (ー_ー)!!




「いや・・・・やっぱり2人で被害に遭うより、1人は見守って

いつでも助けを求められるようにスタンドバイしていた方が

いいと思ったの・・・・(滝汗)」    あたふた、あたふた・・・・・




思いがけないところで、苦しい言い訳を考える事になってしまった。ぺんぎん








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Last updated  Mar 16, 2009 03:33:33 AM
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