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Oct 27, 2004
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なぜ、母親は息子を「ダメ男」にしてしまうのか ( 著者: 岩月謙司 | 出版社: 講談社 )
なぜ、母親は息子を「ダメ男」にしてしまうのか

著者: 岩月謙司   出版社: 講談社


う~む。この本はDMC(ドメスティック(家庭内)・マインド・コントロール)から抜けたい患者には効く薬かもしれないけれど、わたしには面白くなかった。
岩月教授の書籍はとてもよく売れるらしい。「親子や男女の深層心理を読み解きベストセラー」とのことだが、深層心理というよりは本能の連鎖反応メカニズムを解明という感じ。

読んでいて、家庭内マインド・コントロールを母親から受けていた人の「恐怖」に同情できず、いちいち「違うだろう?」とつっかかってしまうので、読み進めることに努力が必要だった。すんなり読めたのは最後の第八章だけだ。

母親から家庭内マインド・コントロールを受けた人が、母親に逆らって自分の意思で行動しようとすると「母親を裏切る=見捨てられる不安=死んでしまうのではないか」となり、生存を脅かす恐怖を感じるので、結局は逆らうことができないのだと言うのだけれど・・・・その恐怖って、ほとんどの場合は幻想だから、精神力や意思の力で断ち切れるもんじゃないのか?

容易に断ち切れないから「マインド・コントール」なんだろうけど、断ち切れないのってコントロールを仕掛けた母親のせいじゃなくて、本人の弱さや甘さや保身のせいなんじゃないんだろうか。

「あなたはこの学校に入りなさい」とか
「こんな友人と付き合ったらいけない」とか
「将来はこういう職業がいいわよね」なんていう人生の選択への口出しから
「あなたにはピンクが似合うから、この洋服にすれば」とか
「鉛筆は削りすぎると折れるから、先が少し丸いくらいがいいのよ」なんていう小さな口出しまで、程度の差はあれど、母親なら子どもの選択肢に口出し(母親からすると助言)するものだ。

その口出しが純粋に子どものためを思うものなのか、それとも母親自身の利益(影響力の確保)のためなのか、思春期にもなれば、わかるはず。
若月教授は「DMCされた息子は、母親の演技を見抜けません」というけれど、信じられない。母親と自分との関係を悪化させたくない息子が、母親の演技を見抜こうとしないんじゃないかと思う。それって保身だ。「恐怖ゆえの」じゃない。母親や家庭から与えられている既得権益(経済的な庇護と食事や洗濯など世話)を失いたくないんじゃないのか?息子自身が。

この本にはDMCを受けて苦しんでいる人自身の責任については言及されていない。
実際に苦しんでいる人に対して「あんたが弱いからいけない」とか「精神力を強くしろ」とか言っても事態を好転させることはできないからだろう。
とりあえず母親が悪いことを認識することから、DMC脱出をはじめるよう指南されている。とても臨床的だ。実践的で、実行すれば良い結果が得られるだろう。

でも。やっぱり。
社会人であり、経済的にもひとり立ちした成人がDMCから抜け出るのであれば「母親が悪かった」ということではなく「自分には弱さがあった」と認識することから始めるのが正しいと思う。青年期であっても「自分の弱さ」に目を向けたほうがいいだろう。

思春期を越えても親の意見を鵜呑みにして従う子どもは「自分で考え、選び、責任を持つ」ことから逃避している。ある意味「楽な道」を選んでいるのだ。異なる意見を持つ人(親)と話し合いながら理解し合う努力からも逃避している。

たいがいの母親は息子が自分の言うことを聞かなくなったからと言って、家から追い出したり日常の世話を全くしなくなったりはしない。キーキーと文句を言いながら、世話はする。だから息子は母親の望む通りに行動しなくて良い。生存を脅かす危機はまずない。ただキーキーに耐えればよいのだ。

母親が「いつも親父に殴られ、姑からもいびり倒されている」ような不幸な女だと、息子は母親が不憫で自分を抑えてしまうこともあるだろう。でも、この場合にも生存を脅かす危機はないので、母親の望む通りに行動しなくて良い。自分のやりたいようにやり、不幸を見せつける母親の「不幸な姿を見ること」に耐えればいいのだ。

「キーキー文句を言う母親」や「不幸をみせつける母親」に耐えて子ども時代を過ごすのはある種『自立』への道程でもある。大人じゃないんだから、静かに耐えなくてもいい。
反抗してもいい、暴れてもいい(できれば暴れないほうがいいけど)、黙秘してもいい。

DMCされている人の年齢によって、問題の深刻さは違うのではないだろうか。
そして脱DMCにあたり、「母親のせい」というステージから始めてよい年齢と、「自分の弱さ」から始めるべき年齢とがあるのではないだろうか。

わたしの感覚では思春期までの子どもは「おかあさんのせい」にしていい。
思春期を過ぎた頃から学生時代であれば「母親の悪さ」と「自分の弱さ」の両方に目を向けて自立への道を進んでほしい。
学生時代が終わった成人は「母親のせい」だけにしてはいけない。
「母親の弱さ」を許し「自分の弱さ」を認め、人の助けを借りながら、条件反射のように染み付いてしまったDMCから抜け出してほしい。
もちろん30歳や40歳でも年齢に関係なく「意思と行動の乖離」が激しく、重い症状である場合には「母親のせい」から始めるしかない場合もあるのだろうが。

参考Webページ
なぜ売れる 岩月教授の恋愛指南本-四国新聞社
岩月謙司のホームページ





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最終更新日  Oct 27, 2004 10:11:38 PM
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