爵位 -その1-
Marquis d'Aleme Becker(マルキ・ダレーム・ベケール)Clos de Marquis(クロ・ド・マルキ)Comte Lafon(コント・ラフォン)Chevalier Montrachet(シュバリエ・モンラッシェ)Comtesse de Lalande(コンテス・ド・ラランド)Volnay Clos des Duc(ヴォルネィ クロ・デ・デュック)Baron Mouton Rothschild(バロン・ムートン・ロートシルト) さて、問題です。上に掲げたのは、ワインの銘柄に使われている名称や生産者の名称です。これらに共通する、「ある共通の要素」とは何でしょうか? ワインの名前などに見られるマルキ、コント、バロン、シュバリエなど。これらは「爵位」と呼ばれるものです。爵位はフランスにおいてはそもそも、国王の軍の階級付けとして用いられたのがはじまりとされています。戦争で功績のあった者に爵位をあたえ、後々の貴族社会を形成する基盤となりました。上位の格の爵位から順に、Duc,(デュック=公爵)Marquis,(マルキ=侯爵)Comte,(コント=伯爵)Viscomte,(ヴィスコント=子爵)Baron,(バロン=男爵) ここまでの5階級を「五爵」と言い、シュバリエはその下の位です。シュバリエはその他の爵位が各々の「家」に与えられる世襲に対し、戦場で功績のあった個人に与えられるもので一代限りです。ちなみに英語圏ではシュバリエはナイトと同格とされているのです。日本語ではそれぞれ、公爵、伯爵、侯爵、子爵、男爵名どの文字があてられますが、「公、候、伯、子、男」の文字そのものは中国の階級からあてはめられたものです。(明日へ続く…)