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牧内直哉≧仁楽斎の「フリートークは人生の切り売り」

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2009年08月13日
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カテゴリ:映画
あらかじめ申し上げておきますが、
僕は落語のことが少しだけ分かっています。少しだけですよ。


『小三治』
(8/9~:フォルツァ総曲輪)
公式サイト:http://cinema-kosanji.com/

CD・DVDは発売されていますが、
ご本人曰く「自分の落語が記録されるのは嫌い」という柳家小三治師匠の、
最近のある時期をカメラに収めたドキュメンタリー映画です。
ですから、これはたいへん貴重な映画であるといえますきらきら

『あくび指南』『らくだ』『天災』『道具屋』『鰍沢』の一部が聞けます。
もしかしたら、間違っているかもしれませんがあっかんべー
というのも、映画では最後の『鰍沢』以外、演目を紹介していないんです。

そして、僕はその演出がかなり気に入っています!!

落語の営業に行くと、担当者からよく聞かれます。

「今日の(これからやる)演目は何ですか?」

これに答えるのが嫌なんです。答えたら、それをやらなきゃいけない雫
本当は独演会のパンフレットにネタを書くのも嫌なんです。

不要ですよ。失礼だけど、演目なんて聞いても分からないでしょ。
野暮ったい僕がいうのもなんですが、それを聞くのは「粋」じゃないです。
終わった後に聞かれるのは、まだ平気なんですけどね。

中には、本来なら高座名(演者名)を書くものであるメクリに、
演目を書くものだと思って尋ねてくる人もいます。

つまり、少なくとも富山県では、落語の認知度はその程度なんです。
良い悪いじゃなく、嘆いているのでもなく、冷静な現状認識ですよ。

ですが、映画『小三治』は全国で好評上映中。
フォルツァ総曲輪でも、結構お客さんが入ってました。これは嬉しいうっしっし
だって、よほどの映画馬鹿か落語好きじゃなきゃ観に来ない映画でしょ。

カメラビデオは小三治師匠をとらえ続けていますが、
スタッフはやたらとインタビューはしないし、師匠も喋り続けたりしない。
そんな中で語られる、師匠の考えや落語への思いはインパクトがあります。

師匠は何度も「俺はこの仕事は向いてない」とおっしゃいました。
また、「現役選手だから弟子に教えたりはしない。ただ見せるだけ」とも。
その気持ちはとてもよく分かります。僕も同じように思ってますから。

その他、いろいろと勉強になることがたくさんありました。
「良くても悪くても、その時の最初の“息”を大事にする」とか、
「落語らしく」って本当にどういうことなんだろうな?…とかね。

でも、勉強になったというのは、落語のではなく、アナウンサーとしてですよ。
だって、僕の仕事は落語じゃないから。落語はちょっとやってるだけ。

小三治師匠って、落語を庶民的に楽しませてくれる方という印象でした。
それは、「技」ではなく、「心」で語っておられたからなんですね。
それって、アナウンサーも同じなんじゃないかな…とひらめき

その一方で、ご本人はとても品のある方だな…と思っていたのですが、
その秘密が少しだけ分かったような気がしました。そんな映画でした。
特に入船亭扇橋師匠とのやり取りで、それを強く感じました。

映画の最後のネタは『鰍沢』でした。
相当の思い入れを持って演じられていたにも関わらず、
なぜ師匠はこのネタをやろうとしたのか?…ということは分からぬまま。

そういうことを言い出すと、足らないところは少なからずある映画です。
そもそも、康宇政監督は小三治師匠に惹かれただけで撮っていたのでは?
だから、装飾なくありのままの師匠を撮っているだけ。

でも、それが僕にはとても心地良かったのです。
いちいちすぐに掘り下げようとしないところが「粋」に感じられたのでしたちょき

他にも思うところがたくさんありましたが、
あまり長くなりすぎると「粋」じゃないので、もう止めます。
まぁ、このブログは最初から粋じゃないですけどね雫






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最終更新日  2020年05月10日 12時17分59秒
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