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牧内直哉≧仁楽斎の「フリートークは人生の切り売り」

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2010年12月10日
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カテゴリ:映画
『ノルウェイの森』
(12/11~:TOHOシネマズファボーレ富山、TOHOシネマズ高岡、他)
公式サイト:http://www.norway-mori.com/index.html

村上春樹さんの大ベストセラー小説の映画化。
原作は1987年刊行。今日までの累計発行部数は1000万部超。
当時はもの凄く話題になった小説です。

僕は読んでませんが…汗。
その上で申し上げますが、映画は文学的で面白かったです。

まず、トラン・アン・ユン監督が作り出す映像が文学的です。
映像が文学的…というのはおかしな表現ですが、そう感じました。
カラーなんだけれど、舞台となっている1967年を感じさせる昔の色なんです。

トラン監督の『夏至』で観た艶やかな黒髪の映像は、今も心に残っています。
本作の映像はそれとは雰囲気が違いますが、とにかく惹き込まれました。

そして、登場人物たちの考え方や会話も文学的に演出されています。
彼(彼女)らのテンションを感じながら、本を読まされているような気分になりました。

高校時代に自殺した親友の恋人・直子と、大学で出会った緑との間で揺れ動く、
主人公ワタナベの青春の“もがき”が描かれています。恋愛物語といえば、そうなのかな?
でも、恋愛物語という表現では終わらせられない世界観です。

ワタナベはモショモショと喋ってます。あんな喋り方でも意外と聞き取れるもんですね。
予告編でも流れていた、「好きな人いるの?」「いるよ」という会話の、
「いるよ」のモショモショ感が、しばらく僕の頭の中に残っていました。

それよりも、聞いた瞬間にツボにきたのは、
「孤独が好きな人なんていないよ。ただ、……してるだけ」
「時間はもてますほどある。その時間の中で……」という台詞と表現。THE文学!

ただ、本当に大事なのは、主人公のワタナベではなく、
彼の両側にいる直子や緑はもちろん、その他の彼を取り巻く人たちへの理解です。

いや、簡単に理解は出来ませんけどね。そこがまた文学的な訳で…。

直子もミドリも理解しづらい女性でした。
でも、それは彼女たちが特別に理解しづらいのではなく、
他人のことってなかなか理解できないものだと思うのですよ。
ましてや、男が女の心理や行動を理解するのは本当に難しいことで…。

「今、私が何を考えているか(望んでいるか)分かる?」と、緑はやたらとワタナベに聞きます。
いますよ、こういう女性。いや、実際にいましたよ。
僕も昔はそれなりに考えて答えてましたが、後で気がつきました。
それは僕には分からないことだったのだと。では、どうするのか…。

「愛する」というのはどういうことなのか?

ワタナベは「君にとっての愛とは?」と緑に聞いていましたが、
その答がなかなかにワガママで奥深く、まさに文学的(しつこい?)で面白かったです。

直子とワタナベのカラミもエロくてグッドでした!
下手なAVよりよっぽどエロいのは、やっぱり演技力のなせる技なのか?
官能シーンに関しては、特に菊地凛子さんが素晴らしかったです。

単純なエンタテインメントとしての性描写ではないのですよ。
展開上必要ということではなく、テーマとして必要なのです。

「生きる」というのはどういうことなのか?
…という考えにも繋がっていきます。

世の中には「死ぬほどつらい」「死ぬよりつらい」なんて表現を使う人がいますが、
そんな「つらさ」を感じるのは生きていればこそでありまして…。

そんなことも考えながら観ていました。
他にもいろんなことを考えながら観ていました。
レイコや永沢の存在や生き方も気になりましたし…。
レイコ役の霧島れいかさんは綺麗な人ですな~。

あるものだけが全てじゃない。経験だけじゃ物事は分からない。
人間の脳は無限に広がる大宇宙より無限で奥が深い。
その人間の脳が小説を書き、映画を撮り、鑑賞して何かを感じる…。

1967年を感じるシーンも幾つかありました。
あの時代の物って集めるのがたいへんそうなんですけどね。
レコード屋にナガオカの針が売られていて、タクシーは初乗り2km100円の時代。

ちょっと正月上映にしてしまうのはもったいない映画だと思いました。
今さらながら、原作にも興味が湧きました。そういうことって結構ありますが…。

ところで、これは本編とは直接は関係ないことなのですが…。

「青森に行ったことある?」と聞かれたワタナベが「ないよ」と答えるシーンがありました。
でも、ワタナベを演じている松山ケンイチさんは青森県出身なんですよね。





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最終更新日  2010年12月10日 23時44分06秒
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