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『横道世之介』
(上映中~:TOHOシネマズファボーレ富山) 公式サイト:http://yonosuke-movie.com/ 長崎県の港町で生まれ育った横道世之介は、法政大学に進学し上京してきた18歳。 マイペースで若干KYなところもあるが、嫌味がなくて周りから好かれている。 そんな世之介にぞっこんになったのは、お嬢様育ちの与謝野祥子だった・・・。 *********************************************************************** 世之介は1987年に現役で大学1年だから、僕より2歳下になります。 バブルの時代でしたが、全ての人がその恩恵を受けていたわけではありません。 彼も高級ホテルでバイトして、1万円のチップを貰ったりすることもありますが、 基本はエアコン無しの1K6畳間(多分)のアパート暮らしです。 西武球場での西武対近鉄戦で伊東勤さんが打ってるシーンがあったり、 あ~そういえば、あの大きいハンバーガーとかが話題になったこともあったっけ?とか、 映像にその当時の感覚が溢れている(実際に溢れてます)・・・というよりは、 なんとなく、主人公の時代背景が同世代の自分のツボにはまっていました。 新宿駅前でブサイクなアイドルイベントを見てキャンペーンのガムを貰って、 電車に乗って前の席の子供とのやり取りがあって、 アパートに来て、何もないから広く感じる部屋で身体を伸ばしていたら、 隣の部屋から聞こえてくる目覚ましの音が鳴りやまず・・・。 オープニングからここまでが長い・・・。ゆったりゆったり時間が流れています。 上映時間が160分もあるのは、1シーン1シーンの導入と余韻が長いからです。 始まってすぐは「ずっとこのままだと、これはしんどいかな・・・」と思いました。 ところが、観ているうちに心地良くなってきたんです。 祥子が終盤で世之介のことを「普通の人」と表現しました。 確かに世之介は特徴的な部分はありますが、そんなに特別な人間でもありません。 そういう意味では「普通の人」なのかもしれません。でも、そこが大事なところです。 高良健吾さん、男前なんだけど、こういう役が似合ってますね。 展開も特にセンセーショナルなことは起きません。 でも、そこも大事なところです。だから、何となく共感しちゃうんです。 「俺が死んだら、みんな泣いてくれるとやろか」と尋ねる世之介に、 「いや、思い出して笑顔になるんじゃないか」と元カノが答えるシーンがあります。 それが世之介らしさ。それはそれで素敵な人生なのではないでしょうか。 吉高由里子さんの祥子は、お嬢様としては若干の違和感があるのですが、 それが逆に面白くて、そういう狙いもあるのだろうし、良かったと思います。 一方で、あれだけ積極的に世之介を慕っておきながら、 いざ良い雰囲気になると照れまくってしまう仕草などはピッタリはまっています。 2人が恋人らしくしようとするシーンは、 観ているこちらがもどかしくなる良さがありました。ちょっと羨ましくもあります。 他の友人たちとのやり取りも、特別なことはないけど、何だか良いなと思える雰囲気・・・。 加藤役の綾野剛さん、僕は今年になってから観る機会が増えました。 ドラマ『最高の離婚』での上原諒、大河ドラマ『八重の桜』の松平容保、 そして本作の加藤と、全く役が違っていて、最近ちょっと気になる俳優さんです。 その前に観た『アルゴ』の緊張感も良かったのですが、 180度逆というか、こんなふんわりした映画も好きですよ僕は。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013年03月05日 15時38分27秒
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