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牧内直哉≧仁楽斎の「フリートークは人生の切り売り」

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2013年04月30日
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カテゴリ:映画
『舟を編む』
(4/13~:TOHOシネマズファボーレ富山、TOHOシネマズ高岡)
公式サイト:http://fune-amu.com/

玄武書房に勤務する馬締(まじめ)光也は職場の営業部では変人扱いされていたが、
言葉に対する並外れた感性を見込まれ辞書編集部に配属される。
個性溢れるメンバーに囲まれ、新しい辞書「大渡海」の編纂に従事する中、
馬締は下宿の大家の孫娘・林香具矢に一目ぼれして・・・。

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僕の好きなタイプの映画でした。
穏やかに、でも、ふつふつと湧き上がる力を感じる話は好きですね。
珍しく、原作も読んじゃおうかな・・・と。

1995年、徐々に電子辞書などが台頭してきましたが、
まだ書籍としての辞書を編纂しようとしていた時代です。
携帯電話やPHSが大きい・・・ていうか、PHSはもちろん、携帯電話も今は・・・。
でも、大きい辞書を1冊は家に置いておきたいと思う。僕はそんな世代です。

この頃から、「ヤバイ」が肯定的な意味で使われ始めました。
若者言葉や「ら」抜き言葉は、もう少し前からも問題視されていたんじゃないかな。
でも、私たちの仕事では使いにくいけど、言葉は時代の中で変化しているものです。
そこで、「大渡海」は「今の時代を生きる辞書」にしようと考えられました。

辞書を作る作業がいかに労力を要するものであるかが分かります。
実際にこうして作られているのでしょう。「大辞林」は28年かかったそうです。
10年以上前に選んだ言葉は古くなっていたりもして、また考えなきゃいけない。
そりゃ、出版社としては儲かりませんよね・・・。

でも、作業が佳境に入ってからの皆さんの姿は美しかったです。
辞書、もっと大事にしよう・・・。

辞書の編集者になるのは適正が必要だということが分かります。
監修者の松本先生が「右を説明して下さい」と西岡に求めた時点で、
自分の中でもずっと「右」の説明を考えながら観てしまいました。

馬締君と僕の考えは似ていましたが、彼の答の方が分かりやすかったです。
で、「あ~なるほど!」と思ったのですが、実は彼の答も充分なものではなく・・・。
ただ、辞書編纂者の適正の一つは、正しい語釈ができるということだけではなく、
それを考え続けようとすることができるかどうかにあるのではないかと思いました。

もう一つのテーマは、馬締の恋というか、馬締と香具矢との関係。
十五夜の夜に満月の手前にたたずむ香具矢の姿はまさに「かぐや姫」でした。
久々(でもないか?)に可愛らしさを感じる宮崎あおいちゃんでした。
香具矢は板前修行中です。自分の目指す世界に向かって努力してる人は素敵ですね。

そういう意味では、馬締も周りから変人扱いされてはいましたが、
辞書作りに人生を賭けようとする姿勢は素敵だと思いました。
ちゃんと分かってくれる人は彼のことが好きだし、僕は素直に尊敬しました。

恋焦がれる相手に、あんな(?)手紙で思いを伝えるのも良いじゃないですか。
最終的に彼女に求められた伝え方の中で発した言葉は一言で終わってしまいましたが、
だからこそ、言葉の海には魅力が溢れているということなのではないでしょうか。

馬締と香具矢の結婚生活に特別なやり取りは多くない(あるといえばある)のですが、
だからこその結婚生活の素敵さみたいなものも感じました。
一方で、池脇千鶴さん演じる女性みたいな人も好きなんですけどね。

にしても、松田龍平さんには役の幅の広さを感じます。特に僕はこういう役の時が好き。
三浦しをんさん原作の映画では『まほろ駅前多田便利軒』にも出演なさってますが、
あの役もテンション上げないテンションの高さがあって好きでした。

あと、編集者の皆さんがよく利用していた、良い意味での「場末っぽい」居酒屋さん。
いや~、ああいう感じのお店、良いですねぇ。
というか、ああいうお店で飲み合える仲間がいるということが良いと思うのです。





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最終更新日  2013年04月30日 11時50分38秒
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