LA,LA,LA,JE NE L'OSE DIRE
来春に行なわれる部内演奏会用のマンドセロ四重奏曲を1曲編曲した。曲は「LA,LA,LA,JE NE L'OSE DIRE」邦題は特に定められていないが、直訳すれば「ラ・ラ・ラ、それは言えない」。「寝取られた亭主」と題されている場合もあり、世俗的な古典的シャンソン曲である。作曲者であるピエール・セルトン(Pierre Certon, ? ~ 1572)は、ルネサンス時代のフランスの作曲家。この世代の代表的作曲家のひとりで、フランス語シャンソンの発展に影響力を及ぼした。知る人ぞ知る世界だが、クラシック好きの中では有名な音楽家である。本曲はシャンソンなので歌詞がついており、合唱曲として時々世界中で演奏されている。以前、The Kings Singersの歌ったこの曲を聴いてその美しさに感動し、ずっと耳から離れない。La la la, je ne lo, je ne lose dire;La la la, je vous diray; Il est ung homme en noville, Qui de sa femme est jaloux, Il nest pas jaloux sans cause, Mais il est cocu du tout.Il a preste et si la maine Au marche, sen va a tout. 日本語訳は下記のとおり。♪ ラ・ラ・ラ、ほんとは内緒なんだけど ♪ ラ・ラ・ラ、でも言っちゃおうかしら♪ 街に一人の男がいて、 ♪ 奥さんにやきもちやいているの。 ♪ それもそのはず、 ♪ その男、寝とられ亭主なのよ♪ 彼が奥さん連れて買物にくと、 ♪ 奥さんときたら、みんなに色目を使うのよ。 なんとも世俗的だが、メロディーは短調でテンポは速い。フランス語ではエスプリの効いた歌詞のようだ。もともとオペラ音楽も、今でいうテレビドラマの主題歌・挿入歌のようなものだし、クラシックも肩肘張ったものばかりではない。昨年はマンドセロ四重奏で黒人霊歌を取り上げた。もっともっとみんなに多彩な音楽を知ってもらえたらと思う。