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カテゴリ:マスコミ試写
25日、東芝エンタテインメント試写室にてポール・バーホーベン監督の最新作「ブラックブック」を鑑賞した。
この作品は「4番目の男』以来バーホーベンが23年ぶりに祖国オランダで撮られた作品で、前作「インビジブル」から6年ぶりの作品である。 ![]() 映画の話 第2次大戦中のナチス・ドイツ占領下にあるオランダ。若く美しいユダヤ人歌手ラヘルは、何者かの裏切りによって家族をナチスに殺されてしまう。ラヘルは復讐のために名前・容貌を変え、スパイとしてドイツ諜報部の将校に近づくが、次第に彼を愛するようになる――。 映画を見る前は宣伝コピーの「スピルバーグの『シンドラーのリスト』ポランスキーの『戦場のピアニスト』そしてバーホーベンの『ブラックブック』遂に登場!」と書いてある文を読んで、「バーホーベンが小難しい戦争を舞台にした文芸作でも撮ってしまったのか。」と落胆をしたが、映画が始まりその不安は一瞬で吹き飛んだ。 オープニングから爆撃機で家は木っ端微塵になるし、ドイツ軍の容赦ない襲撃、スパイになった主人公の潜入活動、レジスタンスとドイツ軍の戦い、裏切り者の暗殺など、ハラハラドキドキの連続で、本作は戦争を舞台にした娯楽作という事に気づく。 とにかくバーホーベンの演出が冴えている、気を抜いたところに突然ドイツ軍が現れたりで、ハリウッドで身に着けたドハデなアクションとヒッチコックばりのサスペンスが偉観なく発揮されている。そしてバーホーベンお得意のエロスとヴァイオレンスも健在で6年間のブランクを感じさせない作品。 映画には、死体から金品を剥ぎ取るドイツ兵、路上の食べ物に群がる子供達、殺人の罪を苛まれるレジスタンス、ドイツからオランダに寝返る将軍と秘書など、実際に少年時代に戦争を体験した醒めた視線で反戦のメッセージも込められている、第一級のサスペンス・エンタテインメント作品。 早くも今年のベスト10入り間違えない作品に出会ってしまった。 映画「ブラックブック」のポール・バーホーベンの監督作品はコチラをクリック。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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なんだか、凄いものを観てしまった。。。という感じです。
ナチスドイツとユダヤ人の間に、 オランダ人がこのような形で関係していたということをこの映画で知りました。 終戦により抑圧されていたオランダ人が横暴になる姿は、 人間の本性を観た気がして、恐ろしかったです。 (2007.02.17 18:29:38)
TB&コメント書き込みありがとうございます。
そうですね。虐げられていたオランダ人は解放後にドイツ人を滅茶苦茶にしていました。 先日バーホーベン監督の記者会見に参加したのですが、監督はラヘルがオランダ人に血祭りにされるシーンは、米軍がアブグレイブ収容所で行われている事と似ていると言っていました。やはり人間の心の奥には誰でも憎悪を持っている事の現われなのでしょう。 またのご来館をお待ちしております。 (2007.02.17 19:16:36)
いつも参考にさせてもらっています。
”戦争娯楽作”ということなので、あんまりしんみりせず見れそうでよかったです。 「善き人のためのソナタ」とは違ったよさがありそうですね。 (2007.04.12 00:12:16)
こちらでは先日公開だったので、ようやく観れました。
ポスターやタイトルのイメージで、とても強いメッセージの社会派作品かと思っていたら、 娯楽サスペンスと聞いて、興味津々で出かけて来ました。 伏線や設定、人物の描写も巧くて、 サスペンスを楽しみながら、斜に構えたメッセージを受け取る作品、と思いました。 重たい社会派と思って敬遠している人がいるのでは?と 余計な心配をしてしまいます。 (2007.04.17 17:09:51) |
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