|
テーマ:辛口映画批評(354)
カテゴリ:マスコミ試写
![]() 走り、叫び、書いた。新聞記者たちの激動の一週間!ソニー・ピクチャーズエンタテインメ クライマーズ・ハイ デラックス・コレクターズ・エディション 映画の話 1985年8月12日、群馬県御巣鷹山にJAL123便が墜落、死者520人の大惨事が起こった。前橋にある北関東新聞社では、白河社長の鶴の一声により、一匹狼の遊軍記者・悠木和雅が全権デスクに任命される。そして未曽有の大事故を報道する紙面作り―闘いの日々が幕を開けた。さっそく悠木は県警キャップの佐山らを事故現場へ向かわせる。そんな時、販売部の同僚で無二の親友・安西がクモ膜下出血で倒れたとの知らせが届く…。 映画の感想 まず私は原作も読まず、05年にNHKが作ったドラマ版を見ないでの鑑賞です。 映画は現役を退いた主人公の悠木が自分の息子くらいの若者と二人でロッククライミングに挑む光景と、日航機墜落事故が起こった1985年が並行して描かれる。まぁメインは当然、日航機墜落事故を中心に描かれるわけだが、当時の事件をリアルタイムで見てきた者が見ても145分の上映時間にかなりの情報量が積め込まれていて、事件が本題に行くまでのストーリーがイマイチ頭に入りづらい。もう少し人物の背景や説明が欲しかった。 それでも流石に物語が本題に入ると怒涛の原田演出が炸裂する。社長の鶴の一声で全権デスクを任される悠木と編集部のせめぎあい、事故現場に突入した記者が見た地獄絵図、編集部と販売部との対立、監督は新聞社内の緊迫感を尋常ではないカット割りで魅せ、役者の演技も異常なほどハイテンションである。 ただ、本作の難点は悠木の出生と社長の関係の掘り下げが浅い事と、悠木の現在と過去がシンクロする見せ場が有るものの、現在のエピソードがそんなに必要だったのかが疑問であり、いっその事、事件当時の新聞社の話に専念したほうが良かったように感じる。現在の話が入る事で焦点がぼやけてしまったように感じた。当然、ラストの悠木の話もとって付けたような感じて別の映画のラストを見せられた印象であった。ただ、事件を風化させない為にも本作を作ったのは有意義であり、私も映画を見ながら当時の事を思い出しながら見てしまった。本作は事件後に生まれた人や報道を志す人には是非見てもらいたい力作である。 ![]() 映画「クライマーズ・ハイ」関連商品 ![]() クライマーズ・ハイ ![]() 村松崇継『クライマーズ・ハイ オリジナル・サウンド・トラック』 ![]() クライマーズ・ハイ(DVD) ◆20%OFF!
[マスコミ試写] カテゴリの最新記事
|
|