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2009.02.20
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カテゴリ:オリジナル小説

  

         「大 変 更」 

             <スーパーカプセル>

 

 タカシはその先を口にすることができなくなった。

アンは、10年前までのタカシの東京での自由気ままな暮らしぶりを知っている。

若き日の活き活きとした自分を知っている女性、それも単なる友達ではなく、大人の男と女として深い関係を結んだ女性に、年を重ね外見も暮らしぶりも随分と地味になってしまった。そんな今の自分を見られてしまった。それは辛いことである。

そんなタカシの心情を見抜けないアンではなかった。

「あれから、いろいろあったのね・タカシ。久しぶりに会ったとき、ちょっぴり老けたなって・・・正直言ってそう感じたわ」

「もう若くはないよ・・・」 

視線をアンの顔から足元に落として、つぶやくようにタカシはそう言った。

「時々、このカプセルベッドで休めばいいわ」

アンは、さきほど二人だけの世界を支えてくれた舞台を指差しながらそう言った。

何のことだか分からないといった表情のタカシにアンが説明を加えた。

「どう?私を見て・・・10年前と比べて・・・もちろん、身長とかは変化しているけど、肌を見てみて・・・あ!さっき見られていたんだった・・・」

アンはその白い肌を赤く染めて俯いた。

「ああ、本当に綺麗だったよ・・・」

「ありがとう・・・でも、この話をはじめたのは私のことを自慢したかったからじゃなくて、このカプセルベッドで休むとね、身体中の細胞が活性化されてね、お化粧しなくてもとても若々しくいられるのよ。タカシも1日に1時間でもいいからここで休むようにすれば、また昔のような体形を取り戻せるわよ」

「そいつはいいね!」

タカシは目を輝かせてそう言った。

 






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最終更新日  2009.03.08 22:58:18
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