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カテゴリ:恋愛小説
ドラムのオガちゃん、ベースのハラクン、ギターの矢崎、ギター、キーボードのト クちゃん。4人は、店内に入ってすぐ、90度右を向いてテーブル一つおいた 角のテーブルに居た。 ヨースケに声を掛けられなかったら、ドアを開けてすぐに気付いただろう。
「なんか、ぎこちないよな・・・俺のせいだ、すまない」 膝に両手をおいて頭を下げた佑。 4人の中で初めに口を開いたのは矢崎だった。
あとの3人も同じ思いらしく、全員の目が佑に注がれている。 それは、 「オーディションの結果と・・・」 矢崎の問いに対する佑の答えは、他の誰でもなく矢崎自身によって遮られた。
「要らない?」 「だって、オーディションの結果がダメだったってことくらい俺らだって気付いてる よ。いい知らせなら、すぐに知らせてくれたでしょ」 続いてオガちゃんが口を開く 「そうだよ、結果は個人の実力だから佑さんのせいじゃないし」
過渡期だった・・・ もう一人前なんだ・・・感慨深いものを感じて、遠くを見つめる目になっていた 佑を我に返してくれたのは、トクちゃんと同時にハラクンの二人だった。
「ちゃんと説明してよ!」 ハラクンの言葉は、明らかに強い不満を含んでいた。
ガタッと音がした。佑が音のした方を見ると、やっぱりマキだった。 立ち上がりこっちを、というより佑の仲間たちを睨んでいた。 ケント紙のように艶やかな頬を薄紅に染めて、鋭い眼光を放っている。 佑はわざと余裕の笑みを浮べ、なんでもないよという顔をしてみせた。
「どうやら、俺は無駄にみんなを待たせてしまったんだな」 佑のせりふに4人が怪訝な顔になったとき、ヨースケの声がした。 「お待たせー、佑ちゃん」 注文していたビールと柿ピーを持ってきてくれた。 この場の空気を読んでくれたのか、何も言わず背中を向けて行く ヨースケ・・・
今日は、シカゴ with EW&F で「長い夜」をどうぞ。 画面右下のボタンを押してフルスクリーンで再生してください。 」 応援のポチっとお願いします お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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