「毒」を呑む
20年も前、子どもの反抗期にイライラしていた頃、あるセンパイお母さんにやわらかく言われました。「子どもは毒を吐かないとオトナになれないんやから、親はそれを呑み込んでやらんといかんのよ。」ええ?ムリムリムリムリ!と当時思ったのですが、その後、折々に、その方の穏やかな口調を思い出します。個性的な子どもさんたちを、苦労しながら育て上げられた方でした。いろいろ縁あり、その後、人間心理やコミュニケーションを学び、松山東林館・楓でも早15年。それなりの経験もありますが、思春期の親子関係の根っこは、やはりこのセンパイの言葉かなと思います。カラダもこころも、我がことながら訳の分からない混乱。周囲もまた、イライラひりひりの同世代沸き立つような楽しさがあればまだしも、大人からの理不尽さに怒り、自分自身でも自分を縛り、外も中も嵐のような思春期(特に中学時代)は、内なる毒を吐き出さねば、生きていけません。外では言えないタイプならなお、出せるのは唯一、おかあさんだったりします。「あんたも○○じゃないの?」「このあいだと、矛盾しとるよ」などの評価・批判や突っ込みはひとまず呑み込んで、「そうか、あんたも大変やな」とその場は「しんどい気持ち」だけ受け止めてあげてください。親攻撃も来ますが、反撃は火に油をそそぐだけです。そういう時こそ、オトナの腕(度量)の見せ所。逃げず媚びずに大きく受け止めてあげれば、大抵はそう長く続くものではありません。「しんどいなあ、どうしたらええんやろな・・・」結論や指示も必要ない場合が多い。わかろうとしてくれている、一緒に考えてくれているという実感がほしいのではと思います。(それって、大人も同じですね。私たちも自分だけで解決できているでしょうか)子どもは意外と、自分の八つ当たりを自覚していたりします。今はその時期、この子も闘っているんやな、と、胸を貸してあげましょう。そう長くはありません。それを越えて必ずオトナになっていきます(感謝しながら)純真 By「ふわふわ。り」さん