星野之宣「SABEL TIGER」
星野之宣言自選SF傑作集改訂増補版。次の六篇所収。サーベル・タイガーユニコーンの星サージャントアダマスの宝石クォ・ヴァディスタール・トラップ冬の惑星タイトルは「SABEL TIGER」で「サーベル・タイガー」なのだが、「サーベル」の綴りは「SABER」だろうに。その間抜けなタイトルとは裏腹に、星野の代名詞のような使われ方もする、魚の口から剣歯虎が飛び出しているカット絵が凄まじくカッコいい。SFマガジン掲載の海外SFを漫画にしたかのような味わい。70年代から80年代にかけての、あの頃のSFだ。サイバーパンク前夜。星野の画風は一見アメコミ風だが、劇画タッチも垣間見られてやはり和製であり、おそろしく上手い。海外での出版を意図していたのか、「冬の惑星」は吹出しが横書きで、左開き。天地逆ではなく、巻末から進行する形で掲載。