|
カテゴリ:カテゴリ未分類
『自称バリュー投資家』の中の多くを占める思慮の浅い投資家は、単純にPBRは低い方が良く、ROEに意味はないものだと思っている。根拠は高ROE銘柄のパフォーマンスが相対的に低い統計データだ。
もちろんこれは間違いだ。何度も言っているが、投資する時点でのROEが重要なのではなく、ROEの推移が重要なのだ。ROEの推移が低下するような高ROE銘柄は、資本効率が低下している場合が多い。そうでないケースももちろんある。その場合は企業側が株主へ説明を行った上で理解してもらう必要がある。高ROEを維持するのはとてもとても大変なので、多くの場合はROEを低下させないよう十分に資本配分を考慮する株主重視の経営が必要になる。 長期的なROE重視の経営は、多くの場合株主重視の経営に繋がる。 株主重視の経営は、優れた資本配分を行う必要がある。 思慮の浅いタイプのバリュー投資家は、優れた資本配分のメリットを過小評価している。 高ROE銘柄が高ROEを維持するのであれば、別に成長しなくても問題ない。 利益が増加しなくても全く問題ない。多くの自称バリュー投資家にはこの視点が欠けている。 低PER低PBR低ROEの非成長万年割安銘柄があったとしよう。低PERで安定して利益を上げており景気の波によらず業績は変動していない。何なら無借金のネットネット株でも良い。「これは良い銘柄だ!」というだろう。殆どの「自称バリュー投資家」は間違いなくそう言う自信がある。 さて、その銘柄は企業経営で得た利益を配当や自社株買いなどで株主に還元せず、ただ預貯金としてバランスシートの肥大化をしているだけ。ただでさえ低いROEは年々低下し、株価は上昇しないのでPBRも年々低下している。 そのような投資は簡潔に言って資本主義社会の成長を妨げている。 何故なら、その投資は複利のメリットを何ら享受していないからだ。 その投資は単利の積み重ねにすぎない。 そのような投資を是とするのは、株式投資で複利のメリットを理解している「つもり」になっているだけだ。 予測できない外部要因によってその企業が注目を集めて株価が暴騰する可能性はある。 それをただ待っているだけ。それ以上でもそれ以下でもない。運が良ければ数年で株価は暴騰するかもしれないが、運が悪ければその投資パフォーマンスは市場平均を永久に上回らない可能性もある。 だから僕は資本を有効活用しない銘柄への投資は宝くじを買うようなものだ、と言っている。当たるかどうかはパフォーマンスにもろに直結するが、投資家のスキルはほとんど関係ない。万年割安銘柄への投資パフォーマンスが良いかどうかは殆ど運であり実力ではない。そのような(宝くじを買うような)投資が好きならやればいいし、向いてないと思ったらやらなければいい。 まとめるとこうだ。 ROEの重要性を理解していない投資家は株式投資の本質を理解していない。 もう少し株主重視の企業に投資をして資本主義社会に貢献するか、そうでなければ単利で満足する(上昇しない株価にやきもきするようなことはしない)べきだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.04.02 21:07:45
コメント(0) | コメントを書く |