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バリュー投資に騙されるな!

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2024.01.27
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 PBR はバランスシートに表れる有形資産価値に対する評価と思われがちですが、実は有形資産よりもバランスシートに表れない無形資産に対する評価の影響の方が大きいです。
 ネット上などに無数にあるPBR の説明のほとんど全てで有形資産と無形資産のPBRに対する捉え方の説明をしていませんが、投資家たるものPBRは「純資産」ではなく「有形資産」・「無形資産」と結び付けて理解する必要があります。

 PBRとは何でしょうか。PBR は「株価」が「1 株当たりの純資産」の何倍かを示している指標です。つまり「時価総額」が「純資産」の何倍かを示しているということになります。「純資産」に対してお買い得かどうかを表す指標、ということになります。だからPBRは低い方が良いということになるのです。しかし、本当にそうでしょうか。

 PER編に引き続き、PBR編でも常識を疑ってみましょう。

 当然、PERの値が同じであれば、PBRの値が低ければ低いほど、純資産の算出元である有形資産に対する投資家の評価が低いことになります。
 しかし資産には有形資産のほかに無形資産もあります。無形資産は純資産に含まれないためPBR算出に無視されがちですが、PBRが低いという事は、有形資産だけでなく、バランスシートに表れない無形資産に対する投資家の評価も低いことを表します。
 有形資産と価格との差は暖簾代と呼ばれます。暖簾代は、ブランド価値や企業ノウハウなどの収益力や企業統治能力や、その他諸々が、買収価格から有形資産を引いた金額になるという考えです。企業を買収した時などに生じるバランスシート上の差を「暖簾代」と称して計上し、損失として減損処理しようという会計の考え方です。
※逆に買収価格よりも資産が大きくバランスシートが膨れ上がる場合は、「逆暖簾代(負の暖簾代)」と称して利益扱いとして処理されます。

 この暖簾代に付いて、視点を変えれば、有形資産に対して買収価格が高ければ高いほど無形資産価値の【評価】が高いという事になります。この有形資産に対する買収価格は、株式投資ではPBRと同義です。PBRが低い時に有形資産を、PBRが高い時に無形資産を、投資家は【評価】して投資をしていることになります。言い換えれば、低PBR銘柄への投資にしろ高PBR銘柄への投資にしろ、他の投資家の評価の変動による株価変動によって鞘を抜こう(キャピタルゲインを得よう)というのであれば、この着目点の違いを考える必要があります。

 さて、低PBR銘柄と高PBR銘柄とでは、その銘柄に投資をしている投資家の着眼点が違う事が分かりました。次にいきます。

 それでは PBRが低い銘柄の無形資産には価値がないのでしょうか?
 勿論違います。PBRの低い銘柄は無形資産の評価が低いだけで、価値が低いかどうかは全く別問題です。PBRの低い銘柄の多くには長期間にわたって低PER水準で推移している銘柄がありますが、いつも PERが低いというのはいつもしっかりと利益を上げているということです。それにはバランスシート上に記載されない無形資産の影響が当然ある訳です。
 利益や資産に対していつも投資家の評価が低いのが万年割安株と呼ばれる銘柄です。 成長余力が低かったり、衰退産業であったり、株主還元政策に消極的だったりして、資産に対する評価が低いのです。言い換えるとROEがいつも低い事になります。万年低ROEということです。資本効率の低い企業となります。

 PERとPBRを論じれば、PERとROEを論じている事になります。その為前回の『PER編』 と今回の『PBR編』をしっかり読んで頂ければ、『ROE編』を読んだことと同じになりま す。PBRとROEは表裏一体です。しかしこの理解が浅いと、「PBRは低い方がパフォーマンスが良いので同じPERならROEは低い方が良い」という浅い理解になります。
 PBRは過去指標、ROEは未来指標です。
 言い換えれば、PBRは過去の経営を評価する指標、ROEは未来の経営を評価する指標、となります。

 PBRは資産の評価ですが、その資産は過去の経営によって積み重ねられたものです。PBRが低いほど有形資産・無形資産の評価が低く、(その資産を運用することで)今後の経営を通じて株主に多くを還元することを期待されていないという事です。
 繰り返しになりますが、同じPERなら、低PBRであるほど低ROEになります。魅力のない銘柄という烙印を押されている銘柄、とも言えます。
 しかし、その魅力のない銘柄も、今までずっと魅力が無かった訳ではありません。資産を築き上げるまで、少なくない期間成長もしたでしょう。その期間はROEも高かったに違いありません。恐らくPERも高かったことでしょう。いつからか高PER高PBR高ROEの成長銘柄が、低PER低PBR低ROEの万年割安銘柄になったのです。

 万年割安株は昔は高PBR高ROEの成長銘柄であった、という事実はよく考えた方が良いです。今高 PBR高ROEの成長銘柄は、成長が鈍化して、株主還元政策に消 極的であれば、投資家の評価が低くなりPBRが低くなります。PERも低くなります。PERとPBRが低くなったのなら、ROEはかなり低下しているという事です。
※仮にPER水準が変わらなかったとしても、PBRが低くなればROEが低くなります。

 PER・PBR・ROEは結果で過程を表すものではありません。経費がどのていどあり、利益率がどの程度あるか、労働分配率はどうか、ブランド価値はどれくらいあるか、ノウハウはどうか、といった有形無形の様々な重要なパラメータは全て無視して、結果を数値化しただけです。
 その為、PER・PBR・ROEの数字を参考にして投資するかどうかを考えるのであれば、上の投資家の評価の変動をよく考えて行動する必要があります。

 PERとPBR を考えることはPERとROEを考えることなのです。

 ※ PBRとROEを考えることは、PERとPBR、または PERとROEを考えることと同じです。これがストンと理解できないのであれば、基礎的なファンダメンタルの理解をしていないことになります。利益に対する値段、資産に対する値段、資産に対する利益、このうち2つを考えれば、後の一つは(考えた事になるので)考えなくても良い。しっかり理解していないと、PERは低い方がお買い得、PBRも低い方がお買い得、ROEは余り注目しなくていい、となるのです。そういう説明をしているブログは山のようにありますが、根本的なところをしっかり理解していないだけです。PER・PBR・ROEはバランスなのです。 どのような企業経営をしているかによって重視するべき指標が変わります。
 しつこいですが、PERとPBRを考えるという事はROEも考えているという事なのです。それを理解していないのであれば、PERとPBRを理解していないということです。有形資産と無形資産の考え方なしに PBR を捉えているからそのような事になるのです。

 PBRの説明は、有形資産・無形資産の説明とセットでするべきなのです。株価と有形資産を元にしたバランスシートの捉え方、結局はこれがPBRなのです。当然、暖簾代の説明が出てくるはずなのです。

 無形資産価値とは、企業の人材であったり、ノウハウであったり、実績であったり、ブランドであったりします。それらのパラメータが複雑に絡まって、参入障壁を形成しています。PBRの説明は投資家のバランスシートに対する評価という考えを持たなければなりません。そしてそれはROEの考え方とも重なるとことがあります。 ROEは投資家の評価によって変動しません。その代わり損益計算書とバランスシートです。PERは損益計算書と投資家の評価です。
 上の説明は細かい所で致命的に違いますが全体としては概ね正しく、PERとPBRとROEの関係を捉えるためにはこれ以上ない位分かり易いと思っています。しかしこの説明をしている文章を僕は見たことありません。何故でしょうかね。

 ここまでを考えると、単に「PBRは低い方が良い」というのは間違いだという事になります。
 「PBR が低い銘柄群のパフォーマンスが良い」という事実はそこに至るまでの思考回路が大切なのです。「PBRを取るかROEを取るか」ではないのです。「バランスシートに表れている資産の評価をどのように行うか」なのです。そして、その説明を行う為には有形資産と無形資産の評価をどのように行うかが重要で、言い換えれば「無形資産に対する評価をどのように行うか」という事なのです。

 無形資産の評価をどのように行うか。それには複数年度の長期的なP/Lが必要になります。長期的なP/Lを見ずして無形資産は評価できません。ただし、長期的なP/Lを見ても無形資産の価値を正しく評価することはできません。その為、未来の企業利益がどれだけ得られるか(将来の利益に結び付く無形資産の価値がどれだけあるか)を考慮しないで、ただ単純に有形資産の評価額が低い低PBRへの投資を行った方が確実性がある、という事です。

 無形資産の価値がどれだけあるかは無視して、将来の利益がどれだけ増加するかは考慮しない。それであれば、PBRは低い方が良いでしょう。
 PBRは過去指標、PERは現在指標、ROEは未来指標、と言うのはこういう事です。

 以上





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Last updated  2024.01.27 09:24:05
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