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テーマ:洋楽(3315)
カテゴリ:音楽
本当に当時の私は阿呆だったと思うのですが、2011年にSuedeの前期5作が一気に再リリース(しかもB-Sidesとかライヴ音源とか未発表曲とかデモ音源とか、その上DVDもついてた)された際に、もちろん買ったんですが、CD棚のいちばん奥深くにそれは大事に大事にしまい込み、存在を忘れていました。 最近ヴァイナルの方が欲しくてサイトを放浪してたところ、やたらとデラックス盤の情報を目にし、「何これめっちゃ欲しかった…」と愕然としたわけですが、よくよく考えてみたら、「あれ、なんかそんなの買った…ような…記憶が…」となって、大事に大事にしかも未開封でしまい込まれたこの5枚を探し出したという顛末なのです。私は本当にアホの極みです。 で、まずは1st「Suede」から。リマスターされてるので音がいい!のが一番嬉しい。 改めて聴いてみて思うのは、「この未完成な獰猛さ、最高!」ということです。 ブレットの声には少し粗もあるんですが、それを補って余りある以上の艶やかさに、当時彼らの音を聴いた時の衝撃をまた思い起こさせられました。そうだ、この18禁ばりのエロティックさが、私をぶち抜いたんだと。 歌詞も、語弊を恐れずに言えば、おかしいじゃないですか。彼の書く詞の「I」は男でもあり女でもあり、その性愛の対象は、異性でもあり同性でもあり、時に肉親でもある。そして彼が描き出す、不完全で欠点だらけの人々は、ある意味で人間のものすごくピュアな姿。だからこそ、当時、熱狂的に迎えられた部分もあったのかなあと思っています。もちろん、それに引いちゃった人たちもいますけれどね。 ↑対訳頼りだった当時より、多少歌詞の意味をもっととらえられるようになって、俄然ハマったのがAnimal Nitrate。 そしてそれに絡みつくバーニーのギターは、異常です。メロディーラインとは別のところで鳴ってる、何か牙を隠した獰猛な獣の佇まいです。牙を剥く瞬間が、Animal NitrateとかMovingとかDrownersとかMickeyとかなんですが。かと思えばSleeping Pillsのところどころに入ってくるあの繊細な音。 その上、この頃の彼らのバラードもまた、美しい。頽廃のヴェールをかぶってはいるけれど、それを脱ぎ捨てた瞬間の輝きは、目がくらむほどです。Sleeping Pillsもそうだけれど、ラストを飾るThe Next Lifeは、心が震えて我を忘れます。あのファルセットは、あの頃のブレットにしか出せない。 さて、デラックス盤にはB-Sideも収録。My Insatiable Oneはもちろん、To The BirdsにHe's Dead、Big Timeなどなど、ロックの表現にとどまらない、私としてはジャジーな雰囲気も感じるナンバーが盛りだくさんです。 DVDはまさにお宝。LOVE AND POISON見られるし、Brit Awardsで観客が一部引いてる伝説のAnimal Nitrate入ってるし、ブレバニ2ショットインタビューも。お腹いっぱいだけど、何度でも見たくなります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.05.21 17:32:08
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