|
カテゴリ:カテゴリ未分類
「それにしても課長、凄いですよね~~。ホテル側の履歴書、社員の過去のデータって…。普通、そこまで突っ込みますか~~???」
運転しながら都沢、海江田に…。 瞬間、後部座席で紫、 「えっ…???」 葉子は、タブレットを見ながら、 「……。」 海江田、思わず都沢を見て、 「……。」 都沢、続ける。 「いや…。だって、あれだけ業績のいいホテル。しかも…、予約で再来年まで埋まってる。到底M&Aなんて話が持ち上がってくるはずもない。」 そして都沢、僅かに顔を左後ろに向けながら、目は前に、 「でしょ、鈴村さ~~ん。」 いきなり振られて紫、 「えっ…???えぇ~~。まぁ…。うん。そうね~~。」 「まっ、確かに…。そんな大それた事、普通だったら、会社の大黒柱的存在のトップ。つまりは社長がいろんな方向性を考えて、会社を立て直すために…。…が、普通じゃないっすか~~。それなのに…。その、社長すら、降って湧いた話って言うんですから…。」 そこまで話して都沢、 「僕なんか…、どっかの投資家か…、さもなければ、経済界のどっかの大物が元締めで、ホテルを乗っ取る。な~~んて、考えていたんすけどね~~。」 笑いながら…。 「でも、それ、カミさんに言ったら、あんた、何ドラマみたいな事、言ってんのよって、バカにされちゃって…。かかかかか。」 そんな都沢を微笑みながらチラリとだれ見る海江田、 「ふふ。」 都沢、 「でも、やっぱ、課長っす。そこを、ビシッと、ホテルの社員たちにも目をって…。」 海江田、その声に、 「えっ…???」 紫、思わずシートに背中を深く、そして、 「ふ~~~。」 前を見て、そして静かに葉子を、 「ねね、葉子~~。」 タブレットを見ている葉子、 「あぁ、はい。」 「何だか…、ホテル側の履歴書、提案したのが海江田課長って言う事に、なってるらしいけど…。」 その声に葉子、 「あっ。えっ…???あ~~。はい。」 けれども葉子、そんな事とは全く見当外れに…。 紫、そんな葉子に、 「ねね、さっきから何見てんの…???」 葉子、紫に、 「えっと~~。えぇ。うん。…ず~~っと、気になってたんですけど~~。阿刀田常務が生まれた国が中国。…で、取締役の北さんも、中国。」 紫、 「うん。」 助手席で海江田、 「あぁ~~。うん。それが…???」 「さっきから、ず~~っと、送られてきた資料、見てるんですけど…。」 4人には、対策室から貸与されているタブレットがある。 当然、対策室が解散された時には返却となるのだが、 そのタブレットには、今までの横浜トランキルマンヘブンズホテルの詳細が、 ファイルとなってトップ画面にある。 そのために常に情報を閲覧することが出来る。 当然ではあるが全てメンバー全員が共有される事になっており、 情報はすぐさま受信されるようにもなっている。 「今の段階で、ハッキリとは言えないんですけど…。…個人的に、意見させてもらえるのであれば…。」 海江田、顔を右後ろに、 「うん。どうぞ。」 都沢もルームミラーを…。 「取締役でも、紅一点の川峯伊織取締役。」 いきなり都沢、 「川峯伊織取締役…???…どんな人だっけ…???僕たち、会ってます…???」 その声に紫、 「おぃ、都沢~~。かかかか。」 海江田、ニッコリと、 「それを、これから探ろうとしてるんでしょ。」 そして海江田、 「選さん、続けて。」 その声に葉子、 「あっ、はい。マカオで絶大なホテル経営。…と、までしか…、情報、入ってないんですけど…。…なんでそんな人が、横浜トランキルマンヘブンズホテルに…???…何かしら…、理由があるんじゃないかって…、さっきから…。」 葉子の話に紫、顔を2度程頷かせて、 「うんうんうん。な~~るほどね~~。マカオで、何かあったか…???」 葉子、 「そぅ、考えるのが。自然かな~~って…・。…しかも、ホテル経営って…。まっ、確かに、女性でも経営できなくは…。横浜トランキルマンヘブンズホテルが、良いモデルですけど…。でも、海外の…。しかも、人気のあるマカオで…。それに…、現地の人ではなく…、日本人。邦人が…。」 その話に都沢、ニッコリと、 「凄いっすね、選さん。そんな風に考えられる…って、言うか、閃くって…。さすが、財務企画の要~~。的、存在…。な~~んちゃって。」 いきなり後ろから、 「おぃ。都沢。」 紫の声。 瞬間、都沢、目を真ん丸に、そして口を左手で押さえて、 「わっ!!!やば…。」 海江田、 「かかかかか。」 都沢、ルームミラーを見て紫に、 「すんませ~~ん。」 紫、顔を傾げて、 「な~~んてねぇ~~。」 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.07.13 09:52:15
コメント(0) | コメントを書く |