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夕食を終えての勝巳家。
吾大、 「まっ。とにかく、いい方向に向かってくれれば…。」 愛佳も、 「そぅねぇ~~。…でも、私。その…、おばあさんの…心霊現象…???」 吾大もソファに座って、 「あぁ。夢か幻か…。柚香さんの両親の霊…。…実際に、見た…。…ん、だろうね~~。本人の話では、そぅ言ってるんだから…。」 その声に愛佳、テーブルでお茶を飲んで、 「ん~~~。」 深夜。柚香も幸乃も自分り部屋で、寝静まっている。 ルシアと肇。そして亮輔と阿須賀も、藪岡からその話を聞いて…。 ルシア、 「何とも凄い話。」 肇、 「うんうんうん。フランス、ブルージュかぁ~~。」 亮輔、肇に、 「行った時、あるの…???」 その声に肇、 「あっ。俺はないけど…。パリには、何度かね。」 阿須賀、 「かかか、さすが店長、凄~~い。」 藪岡も、 「そんな訳で…。この話がまとまれば、何とか…。…肝心なのは、柚香さん。おばあさんはね、行って来いと。ただ…、パスポートの件もあるから、仮に…、行くのが決まったとしても、1週間以上は掛かるけどな~~。まさか…、柚香さん、パスポートまでは準備は…。まっ。決まった時点で、教授の方には連絡はするけど…。」 阿須賀、カウンターに腕組みした両手に顎を乗せて、 「いいなぁ~~。フランス。ボンジュール。」 亮輔、そんな阿須賀を横目に、 「英語より、フランス語、分かんねぇだろ。それに…、右も左も分かんねぇで…。」 そんな亮輔に阿須賀、グシャリとした顔で、 「こんにゃろ~~~。」 「でも、凄いよね~~。」 ルシア。 「生活の全て、世話してくれるんでしょう~~。しかも…、生活のパートナーまで。」 藪岡、グラスの中の液体を一口。 「あぁ。なんでも、教授のお孫さんが大の日本贔屓、日本に留学の経験もあり、日本語も話せるらしい。それに…、この話が持ち上がった時に、自分の方から申し出たそうだ。…とは言え、柚香さんには、この事はまだ…。」 ルシア、ニッコリと、 「うんうんうん。…ある意味…、サプライズ…???」 その声に藪岡、僅かに頭を傾げて、 「…と~~までは、行かないだろう~~。柚香さん、とにかく、初めてのフランス。しかも…、幾らパートナーが女性でも、不安だらけだろう。」 肇、 「確かに。」 ルシア、 「フランス。ふふ、いいところよ~~。」 肇、頷いて、 「確かに。」 亮輔、 「ふん。スペインからも近いし。…ってか~~。ルシアも…、行った時は…。」 「う~~ん。あるわよ~~。ふふふ。」 「でも…。」 阿須賀、 「ちょっと寂しいね~~。陽織ちゃん…、いないって…。」 そんな阿須賀を見て肇も僅かに寂しくも笑顔で…。そしてルシアを見て。 ルシアも、同じ表情で…。 けれども、客入りはいつもの通り。 それから2日目の朝。 柚香、 「私。フランス、行く。」 朝の台所で。 もぅすっかりと体調が良くなっていた幸乃。 「ふふ。そぅかぃ。うんうんうん。」 すぐさま柚香、スマホで藪岡に。 藪岡も、 「そぅ~~。うんうんうん。ありがとう。連絡くれて。」 柚香、 「はい。…でも、こちらの方こそ、ありがとうございます。何とか…、この症状。」 「うん。だね。あ。じゃあ~~。これから…、パスポート。」 「はい。そうなります。いろいろと…、準備も…。」 「分からない事があったら、遠慮なく、いつでも言って。僕も手伝うよ。」 その声に柚香、 「ありがとうございます。」 そして…。次の日の…、午前…3時。幸乃の部屋。 何やら…、人の気配で目が…。 枕から頭を…。 「ん~~~???」 そして…、自分の右側…。いきなり飛び込んで来た2人の…、正座している姿。 目をパチクリと幸乃。 「おまえたち。」 柚香の両親。裕司と萌衣。 萌衣、 「おかあさん。」 裕司も、 「かあさん。」 しっかりと聞こえる声。 幸乃、 「おまえたち。裕司。萌衣さん。」 萌衣、 「おかあさん、お願い。」 裕司も、 「かあさん、頼む。」 その声に幸乃、 「何…を…。」 裕司、 「かあさん。」 萌衣、 「お願い、おかあさん。陽織の事…。もう少し…。半年だけでいいの。現実の世界で…。柚香の体で…。」 裕司、 「半年だけでいいんだ。」 幸乃、その声に、 「半年…???」 「もうすぐ…、その半年が来る。」 裕司。 「おまえたち…、一体何を…。」 「2歳で死んでしまった陽織。確かに。事故ではあったけど…。死なせてしまった。」 幸乃、僅かに両眉の先端を吊り上げて…。 「何を言ってるんだぃ…???…死なせてしまった…???」 萌衣、 「私たちにも、どうする事も出来なかった。」 何らかの条件が重なったのだろうか、裕司と萌衣の正座している姿は消える事無く…。 幸乃、頭の中で、 「…また…、夢…???」 そうは思ってみても、今度は、ふたりの声が頭の中で記憶されるかのように理解できる。 裕司、 「信号待ちで止まってた時だった。」 LIBRA~リブラ~ vol,197. 午前…3時。幸乃の部屋。 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.07.16 08:55:18
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