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THMISmamaの~お洒落の小部屋~

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2023.07.16
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手書きハート 夕食を終えての勝巳家。

吾大、
「まっ。とにかく、いい方向に向かってくれれば…。」

愛佳も、
「そぅねぇ~~。…でも、私。その…、おばあさんの…心霊現象…???」

吾大もソファに座って、
「あぁ。夢か幻か…。柚香さんの両親の霊…。…実際に、見た…。…ん、だろうね~~。本人の話では、そぅ言ってるんだから…。」

その声に愛佳、テーブルでお茶を飲んで、
「ん~~~。」




深夜。柚香も幸乃も自分り部屋で、寝静まっている。




ルシアと肇。そして亮輔と阿須賀も、藪岡からその話を聞いて…。

ルシア、
「何とも凄い話。」

肇、
「うんうんうん。フランス、ブルージュかぁ~~。」

亮輔、肇に、
「行った時、あるの…???」

その声に肇、
「あっ。俺はないけど…。パリには、何度かね。」

阿須賀、
「かかか、さすが店長、凄~~い。」

藪岡も、
「そんな訳で…。この話がまとまれば、何とか…。…肝心なのは、柚香さん。おばあさんはね、行って来いと。ただ…、パスポートの件もあるから、仮に…、行くのが決まったとしても、1週間以上は掛かるけどな~~。まさか…、柚香さん、パスポートまでは準備は…。まっ。決まった時点で、教授の方には連絡はするけど…。」

阿須賀、カウンターに腕組みした両手に顎を乗せて、
「いいなぁ~~。フランス。ボンジュール。」

亮輔、そんな阿須賀を横目に、
「英語より、フランス語、分かんねぇだろ。それに…、右も左も分かんねぇで…。」

そんな亮輔に阿須賀、グシャリとした顔で、
「こんにゃろ~~~。」

「でも、凄いよね~~。」
ルシア。
「生活の全て、世話してくれるんでしょう~~。しかも…、生活のパートナーまで。」

藪岡、グラスの中の液体を一口。
「あぁ。なんでも、教授のお孫さんが大の日本贔屓、日本に留学の経験もあり、日本語も話せるらしい。それに…、この話が持ち上がった時に、自分の方から申し出たそうだ。…とは言え、柚香さんには、この事はまだ…。」

ルシア、ニッコリと、
「うんうんうん。…ある意味…、サプライズ…???」

その声に藪岡、僅かに頭を傾げて、
「…と~~までは、行かないだろう~~。柚香さん、とにかく、初めてのフランス。しかも…、幾らパートナーが女性でも、不安だらけだろう。」

肇、
「確かに。」

ルシア、
「フランス。ふふ、いいところよ~~。」

肇、頷いて、
「確かに。」

亮輔、
「ふん。スペインからも近いし。…ってか~~。ルシアも…、行った時は…。」

「う~~ん。あるわよ~~。ふふふ。」

「でも…。」
阿須賀、
「ちょっと寂しいね~~。陽織ちゃん…、いないって…。」

そんな阿須賀を見て肇も僅かに寂しくも笑顔で…。そしてルシアを見て。
ルシアも、同じ表情で…。
けれども、客入りはいつもの通り。



それから2日目の朝。

柚香、
「私。フランス、行く。」
朝の台所で。

もぅすっかりと体調が良くなっていた幸乃。
「ふふ。そぅかぃ。うんうんうん。」



すぐさま柚香、スマホで藪岡に。

藪岡も、
「そぅ~~。うんうんうん。ありがとう。連絡くれて。」

柚香、
「はい。…でも、こちらの方こそ、ありがとうございます。何とか…、この症状。」

「うん。だね。あ。じゃあ~~。これから…、パスポート。」
「はい。そうなります。いろいろと…、準備も…。」

「分からない事があったら、遠慮なく、いつでも言って。僕も手伝うよ。」

その声に柚香、
「ありがとうございます。」




そして…。次の日の…、午前…3時。幸乃の部屋。

何やら…、人の気配で目が…。

枕から頭を…。
「ん~~~???」
そして…、自分の右側…。いきなり飛び込んで来た2人の…、正座している姿。
目をパチクリと幸乃。
「おまえたち。」

柚香の両親。裕司と萌衣。

萌衣、
「おかあさん。」

裕司も、
「かあさん。」

しっかりと聞こえる声。

幸乃、
「おまえたち。裕司。萌衣さん。」

萌衣、
「おかあさん、お願い。」

裕司も、
「かあさん、頼む。」

その声に幸乃、
「何…を…。」

裕司、
「かあさん。」

萌衣、
「お願い、おかあさん。陽織の事…。もう少し…。半年だけでいいの。現実の世界で…。柚香の体で…。」

裕司、
「半年だけでいいんだ。」

幸乃、その声に、
「半年…???」

「もうすぐ…、その半年が来る。」
裕司。

「おまえたち…、一体何を…。」
「2歳で死んでしまった陽織。確かに。事故ではあったけど…。死なせてしまった。」

幸乃、僅かに両眉の先端を吊り上げて…。
「何を言ってるんだぃ…???…死なせてしまった…???」

萌衣、
「私たちにも、どうする事も出来なかった。」


何らかの条件が重なったのだろうか、裕司と萌衣の正座している姿は消える事無く…。

幸乃、頭の中で、
「…また…、夢…???」
そうは思ってみても、今度は、ふたりの声が頭の中で記憶されるかのように理解できる。

裕司、
「信号待ちで止まってた時だった。」








LIBRA~リブラ~   vol,197.   午前…3時。幸乃の部屋。

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最終更新日  2023.07.16 08:55:18
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