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まだ社会に出たばかりの遠い昔、竜巻に遭遇したことがある。
それはそれは、恐ろしい体験だった。 だから埼玉や千葉のニュースは他人事ではない。 その日私は、仕事が終わってバス停に降り立った。 土砂降りの雨で、しかも風も強かったので傘があまり役にたたなかった。 その日は友達のところに泊まる予定で、一緒にバス停に降りたのだ。 どこか近くで食事をして、彼女の家に行くつもりだったのだが‥。 バスを降りて傘をさし、信号を渡って空を見上げて凍り付いた。 渦を巻いた真っ黒いものが、空の彼方へと回転しているのだ。 その恐ろしい物体は、左手から右手へと移動していった。 その距離は、丁度バス停一つ分位前方だった。 二人で声もなく立ち尽くした。 恐ろしくて声が出ず、体も硬直してしまったのだ。 食事どころではない。 二人で無言の内に家に走り出していた。 彼女の家は、竜巻とは正反対の方向だったので、 大丈夫だとは思いつつも、何かに追われるように走って帰った。 家に着き、ずぶ濡れになった体を拭きながら二人は一言も喋らなかった。 そして無言の中で布団を引いて、その中に潜り込んだ。 話しをしたのは、それから随分たってからだった。 ‥本当に怖かったのだ。 暗闇の中で黒い物体が、回転しながら空を突き抜けるようにそびえ立ち、 しかもそれが不気味に横へ移動していくのを見たのだ。 もし友達と一緒でなかったとしたら、どうしただろうか? 今考えても恐ろしい。 自然は素晴らしいと思う時もあれば、恐怖でしかないと感じる時もある。 人間は自然の力の前に、なんと無力なことか‥。 「今を生きる」この言葉をしっかり胸に刻んで、 生かされていることを感謝して、今日も頑張ろうと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013年09月05日 05時52分03秒
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