椿まつり
たまには歴史の話でもしましょうか・・・ さぁ、今年も椿まつりの季節がやってきました。(・。・) 椿まつりは、愛媛県松山市にある伊豫豆比古命(いよずひこのみこと)神社(通称、椿神社)で行われております。 ↑椿まつり初日深夜 ↑お忍びの渡御、みこし ↑貸銭の神事 椿神社のホームページによると、小額の守り金を借り、翌年は倍額(多いとの意)にしてお返しする行事です。借りる際に神社側より氏名・住所を尋ねられる事は無く、誰もが無条件に借りることが出来る神と人との信仰と信頼に基づいた特殊祭儀であり、本年も生活に励み、来年無事にお返しの参拝が出来る事を祈る祭儀ですとのこと。 ↑境内 椿神社では「愛比売命(えひめのみこと)」という神を祀っていて、何を隠そう、愛媛県の名前の由来はこの神様から頂いております。日本47都道府県数あれど、神様の名前のついた都道府県は愛媛県だけでございます。 ところで、律令国家は神社の祭神を組織化しようととし、全国の神社に幣物を分け与えました。この神社の一覧が『延喜式』に掲載されており、これを延喜式内社といいます。伊予国には二十四の延喜式内社がありました。 一般的に伊豫豆比古命神社は伊予国伊予郡に位置する延喜式内社に数えられているとしていますが、異説もあります。 この説の根拠として以下の史料を挙げているそうです。 『続日本紀』天平神護二年四月甲辰条 伊予国神野郡伊曽乃神、越智郡大山積神並授従四位下、宛神戸各五烟、久米郡伊予神、野間郡野間神並授授五位下、神戸各ニ烟、 これによると、伊予神(イヨズヒコノミコト)を祀っている神社は久米郡に位置していることが分かります。また『新抄格勅符抄』という史料からは、二つの伊豫豆比古命神社があることが分かり、これを根拠にすると久米郡と伊予郡に二つの伊豫豆比古命神社があって現在の椿神社は久米郡の伊豫豆比古命神社となり、延喜式内社に書かれた伊豫豆比古命神社ではないことが分かります。 延喜式内社に記載された伊豫豆比古命神社は伊予郡松前町にある伊予神社ではないかという説があります。どちらにしろ伊豫豆比古命というのは古来より中予の人から崇敬されたものなのでしょうね。(゜o゜)