『少年計数機 池袋ウエストゲートパークII』
著:石田衣良
『池袋ウエストゲートバーク』の、続編。
一匹狼なカリスマトラブルシューターマコトが、
またしても池袋の街に巻き起こる事件を、
スマートに解決していく。
前作では、マコトのスーパーヒーローっぷりが,
鼻についたけれど、これでは慣れたのか、
さほどでもなく。
慣れたというか、池袋に普通にいるようなガキを連想するから、
ガキにこんなことできるわけないだろ、と感じるのであって、
松田優作のような(それはちょっと言いすぎか)、
ハードボイルドな探偵男をイメージすればいいのだ。
地位にも名誉にも金にも女にも興味がなく、
ただ、仲間やプライドのために、戦う男。
ハタチそこそこでそんなヤツ、いやしないけれど、
探偵物語だと思えば、さもありなん。
舞台も、実際の池袋ではなく、すさんではいるけれど、
正義や友情をなくしていない、どこかの未来世界。
そう思えば、キレイゴトにも目くじら立てず、
読むことができるかも。
表題の、『少年計数機』。
常に計数機で色んなものの数を数えている少年と、
関わることになるマコト。
なぜいつも数を数えているのか、の質問に、
「それはね、数が本当で、
残りのものはみな見せかけだから」という、10歳の少年。
風俗街のボスを父に持ち、
芸能人を母に持つ、孤独な少年。
マコトの機転と個性的な友人たちの助けで、
誘拐された計数少年を助け出す。
おなじみの、怖いおじさんお兄さん、
特殊な能力を持った仲間たちだけでなく、
子供や老人までも味方につけて、
マコトの探偵物語は、鮮やかに進んでいく。
どこかにあるかもしれない街「池袋」で、
どこかにいたらいいな、と思わせる男「マコト」。
作者もきっと、自分の理想の街と人を描きたかったのだろう、
と思わせる、ファンタジックな一冊でした。
ランキングも
よろしくお願いします♪
【参考】
『池袋ウエストゲートパーク DVD BOX』
◆その他、石田衣良の著書は→
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