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2007.09.21
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テーマ:本日の1冊(3686)
カテゴリ:


『東京湾景』 著:吉田修一


「愛してないから、こんなに自由になれるの」
「それでも、お前と一緒にいたかったんだよ」。

品川埠頭の倉庫街で暮らし働く亮介が、
携帯サイトの「涼子」と初めて出会ったのは、
25歳の誕生日。

嘘と隠し事で仕掛けあう互いのゲームの目論見は、
突然に押し寄せた愛おしさにかき消え、
二人は運命の恋に翻弄される。

東京湾岸を恋人たちの聖地に変えた、
最高にリアルでせつないラブストーリー。



憧れの(笑)東京湾景。

中央フリーウェイだとか、聴きながら憧れたなぁ。
きっと大人になったら、そんな素敵な景色の中で、
素敵な恋をするんだと、信じていたあの頃から、
早○年。

それなりに、まるで滑走路のようなハイウェイを、
流星のように走ったことも、なきにしもあらず、
だけど、やっぱり憧れは、東京。

真っ暗な山ん中を走るんじゃなくて(笑)、
眩いビル群の間を、走り抜けたい。


出会い系サイトで出会った、亮介と涼子。
東京湾を挟んでの「あっち」と「こっち」で働く2人は、
お互い正面に見えるのに、ぐるっと迂回しなければ、
会えない。

終わるのが怖くて、恋を始められないまま、
昼も夜も抱き合う2人を象徴するかのような、距離感。


メールから始まった関係だからか、
お互いを信用しきれないのか。

なのに離れがたく、寂しさを埋めあうかのように、
愛してない、信じてないと抱き合う。

裏切られるのが、怖いのか。
愛しすぎるのが、怖いのか。
終わってしまうのが、怖いのか。


布団を敷けばいっぱいいっぱいの狭いアパートで、
この世でたった2人だけしかいないかのような時間に、
息苦しさと切なさと、そして甘い懐かしさを感じた、
一冊でした。



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よろしくお願いします♪


【参考】
◆吉田修一の著書は→ 楽天ブックス


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最終更新日  2007.09.21 22:30:32


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