*モナミ* SMAP・映画・本
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『ナイフ』 著:重松清 「悪いんだけど、死んでくれない?」 ある日突然、クラスメイト全員が敵になる。 僕たちの世界は、かくも脆いものなのか! ミキはワニがいるはずの池を、ぼんやりと眺めた。 ダイスケは辛さのあまり、教室で吐いた。 子供を守れない不甲斐なさに、父はナイフを握りしめた。 失われた小さな幸福はきっと取り戻せる。 その闘いは、決して甘くはないけれど。 イジメって、こういう風に始まるんだろうか…。 いじめるのに何があるわけではない。 いじめに理由なんてない。 ただ退屈していたから。 ただのゲームだから。 そのゲームの的がたまたま、自分になってしまった。 ただそれだけ。 私という的に飽きれば、また違う的を見つけるだけ。 だからただ、じっとそれを待つだけ。 親や先生になんて、言うわけない。 そんなの、プライドが許さない。 理由もないのにいじめられるはずがないと、 大人になってしまった私たちは思う。 けれども子供たちは、ただ「面白いから」という理由で、 誰かをいじめる。 誰かをいじめなければ、自分が的になってしまうという恐怖、 それを常に感じながら、いじめる側に立つ。 そのバランスは、とても危ういもので。 子供たちはその細い綱の上を、頼りない足取りで渡るしかない。 そこには大人の手助けなど、なんの意味も持たない。 大人の、そこまではしないだろうという希望も期待も、 子供たちの残酷さの前では、何の慰めにもならない。 子供という生き物は、大人たちが思っている以上に残酷なもの。 それを忘れてしまっている大人は、何の力にもなれない。 久しぶりに重松作品を読んだけれど、やっぱりこの人は、 子供たちの心情を描かせたらさすが。 このオジサンは、ピーターパンなんじゃないかと(笑)。 実際に今、いじめで悩んでいる子やその親は辛いだろうけど、 そういう子たちにこそ読んでもらいたいと思った、一冊でした。 希望なんかなくても、逃げ出す道もあるんだよ、 逃げてもいいんだよ、と。
【参考】 ◆重松清の著書は→
メイキング・オブ・マッドマックス 怒り… 2015.07.24
『家族の言い訳』 著:森浩美 2015.02.07
『あなたに褒められたくて』 著:高倉健 2015.02.05
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