「気質に関する新発見」(私の気質論)
今日は、最近気質に関して二つばかり発見があったのでそのことについて書いてみます。私の「気質」の学びはシュタイナー教育における「気質」の考えから始まりました。でも、色々と学んでいるうちに、「気質」という考え方自体はR.シュタイナーが発見したことではなく、2000年も以上も昔に、ギリシャのヒポクラテスという医者が言いだしたことでシュタイナー教育ではそれを取り入れただけだということ、また、中国にもインドにもまた他の様々な国にも似たような考え方があるということを知りました。新しいところでは心理学者のユングやクレッチマーなどというような人も気質に関する説を発表しています。それで私は、シュタイナー教育関連の本に書いてある「気質」の考え方にとらわれずに、もっと広い目で「気質」について考えてみようと思い、様々な仮説を立て、実際のワークや生活の中でそれらを検証し、自分の考えをまとめてきました。ですから、私の気質に関する考え方のベースは「シュタイナー教育」ですが、でも、シュタイナー教育関連の気質の本には書いていないことも考えたり、言ったり、書いたりしています。その時、私は日本人なので「気」を日本人的に解釈しています。つまり、「気」を人間に限定して考えていないと言うことです。日本では、「気」は「天気」、「地気」、「空気」、「精気」というように、自然界や人間以外の対象に対しても使われる言葉です。でも、そのような「気」の概念がないヨーロッパの人たちは私が書いているようなことは理解しにくいかも知れません。また、私の考えでは「気質」は相対的なものなので、ヨーロッパの人が見た「気質」と、日本人が見た「気質」は同じではないと考えています。日本人が「あの人は多血だ」と思っても、ドイツの人も同じようにその人を「多血」だと判断するとは限らないということです。実際、シュタイナー教育関連の気質の本を読んでも、私の身近にいる人達と、本の中で気質のモデルとして紹介されている人達がどうもつながらないのです。欧米の人に比べて、日本人は全般的に無口で、自己表現が苦手で、受け身的で、無表情で、物事を深刻に考えます。つまり、民族性そのものが粘液的、憂鬱的なのです。でも、日本人同士ならその中でも、その違いを感じ取ります。そして、粘液的、憂鬱的な日本人の中にも多血的、胆汁的な人を感じ分けます。でも、欧米の人から見たら日本人はみんな粘液的、憂鬱的に見えるかも知れません。私の大学の時の英会話の先生(アメリカ人の女性)が多血丸出しの人だったのですが、日本人であんな多血な人会ったことがありません。その先生が「多血」のモデルだったら、日本人には「多血」がいなくなってしまいます。日本の政治家達は一般の人達から見たらかなり胆汁が強い人達ですが、でも、国際的な会議に出るとみんな粘液質、憂鬱質に固まってしまいます。だから、「日本人の気質」に関しては日本人が、日本人を対象にして調べたり、考えたりしないことには日本人にとって意味のある気質論を見いだすことが出来ないのです。ということで私はそれをやっているつもりです。ですから、私が言っていることをそのまま「シュタイナー教育で言っている事」と受け取らないようにお願いします。また、私が書いていることは一つの「仮説」ですから、私自身も新しい発見や、新しい考えによって、簡単に「以前言った言葉」を覆してしまいます。でも、そういう作業をする人が居なければ、「新しいこと」は始まりません。でも、私のように自分の考えと、観察とで仮説を立て、それを自分の言葉で発表している日本人はほとんどいません。みんな欧米の人が書いたことを解釈して、それを少し日本的にアレンジしたようなものばかりです。ですから、疑問、異論、反論、大歓迎です。そのようなものがどんどん来ることで、考えがどんどん進化していきます。ただし、その時は「自分の体験」に基づいた、「自分の言葉」でお願いします。「誰々の本にはそうは書いていなかった」的な異論にはお答えしかねます。私は学問的に「気質の勉強」をしているのではなく、日本人にとっての「気質の発見」をしているのですから。とここまでが前置きです。以下は最近私が新しく発見したことです。最近、私は「気」には4種類あるのではないかと気付いたのです。それは「物質が持つ気」、「自然が持つ気」、「生命が持つ気」「精神が持つ気」の四種類です。(中国哲学的にはもっと複雑で深遠な思想なのでしょうが、私は単純にまず物質が存在し、その物質の組み合わせによって自然が生まれ、その中から生命が生まれ、その生命体の中から人間が生まれたというように、世界を四層構造で解釈しています。さらに。霊的な世界まで含めると五層になります。そして、それぞれの世界にそれぞれの世界を統合している働きがあり、それを「気」と表現しています。そして、最後の「精神が持つ気」は霊的な世界とのつながりがあるのではないかと考えています。)「物質が持つ気」は一般的に「エネルギー」と呼ばれ、科学の対象になります。紙が燃えるのも、ダイナマイトが爆発するのも「物質が持つ気」の働きです。「自然が持つ気」は様々な自然現象を引き起こします。これは「物質が持つ気」がマクロな状態の中で複合的に働く時に生まれるのではないかと思います。「生命が持つ気」は生命の働きを支えているエネルギーです。これが失われると死にます。「感情」も「生命が持つ気」の一形態です。また、私は「生命が持つ気」は「自然が持つ気」が閉鎖系の中で働くようになったものではないかと考えています。つまり、「地球と相似的なシステムを取り込んだ、周囲から自立したシステム」ということです。ですから、この「生命が持つ気」は「地球の気」と共鳴しています。四つ目の「精神が持つ気」は人間にしかありません。でも、これが一番説明がやっかいなのです。以下の写真は江戸時代の白隠慧鶴禅師が描いた「円相」と呼ばれるものですが、ここには「精神が持つ気」が現されています。この「気」が人間の意志や自我の働きを支えています。この四つの気はそれぞれタイプが違うのですが、でも、お互いに影響し合っています。「姿勢」は単なる「身体における物質的な形状」に過ぎませんが、その「姿勢」は「生命の気」にも「精神の気」にも関係しているので、姿勢が変わるだけで、「生命の働き」も「精神の働き」も変わります。また、住んでいる自然環境が変わっても、生命の働き」も「精神の働き」も変わります。そしてそれぞれが「気質」を持っています。人間に関して言えば、「その人の身体や命の現れとしての気質」と、「その人の精神活動の現れとしての気質」があるということです。大分以前に、私は「気質には生まれつきの気質と、育ちの中で獲得する気質の二種類があるのではないか」と書いたのですが、ようやく最近、そのことの背景にはこの二種類の「気」があることに気付いたのです。生まれつきの気質はその人の「からだ」とつながっていますから、一生を通してそれほど変化しません。また、遺伝の影響も受けています。それがその人の「生まれつきの気質」です。でも、成長の過程で人は心や精神が目覚めます。すると、また新しい「気」が育ち始めます。そのことで、その「新しい気」が「生まれつきの気質」と影響し合って、「その人の人格」とつながった気質が生まれます。ですから、自己成長を続けている人では「気質」も変化し続けていると言うことです。でも、そうでない人の場合は「気質」は変化しません。また、親や、体験や、生まれた地域の文化的な影響も強く受けています。双子で生まれても、一人は日本で、一人はアメリカで育てば、同じ遺伝子、同じからだを持っていても、日本で育った子は「日本人的な気質」になり、アメリカで育った子は「アメリカ人的な気質」になるでしょう。治療気功などでは「生命の気」に働きかけています。武術などでは「生命の気」だけでなく「「精神の気」にも働きかけます。「精神の気」で押さえられると「蛇に睨まれたカエル」のように動けなくなります。また、「生命の気」は「生命の気」と共鳴し、「精神の気」は「精神の気」と共鳴します。だから、精神の育ちが未熟な相手に対しては、「精神の気」は通用しません。それは、無心な子どもには「達人の神業」が通用しない可能性があるということです。もう一つ発見したことがあるのですが、これは明日に回します。************************もっと詳しく気質について知りたい方は私が書いた小冊子がありますのでそれをお求め下さい。このHPでその他の冊子と共に紹介しています。それと、大宮で以下のような講座もします。そこでも少し気質に話しをします。ご興味のある方はぜひおいで下さい。*************************「幼児期の子ども達の成長に必要な事と、大人たちの出来る事」子育てで一番大切なことは、「子どもと信頼関係を築くこと」です。なぜなら全てがそこからしか始まらないからです。信頼関係がうまく築けない時、子育てが辛くなります。じゃあ、どうやって信頼関係を気付くか・・・簡単です、毎日子どもとの生活を楽しむ工夫をするだけです。(篠 秀夫先生HPより)・ 生活そのものを子供との遊びに・ 子供との生活を楽しみながら親子の信頼関係を築く・ 手遊び、自然遊びなど、幼児期に有効な遊びとその理由・ 子育てで一番大切な事とは● 日時: 平成23年2月6日(日) 9時15分~11時45分● 場所: シーノ大宮センタープラザ9階 生涯学習総合センター レクリエーションホール1● 定員: 30名 ● 参加費: 一般2,000円 会員1,500円※ お申し込み締め切り 平成23年2月4日(金)12:00まで ※ FAXにてお申込み後、料金振込みをもって受付完了とさせていただきます。ゆうちょ銀行 00180-6-584855 NPO法人さいたま春岡シュタイナー子ども園の会