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現代の子育てや教育の一番大きな問題は、大人達が子どもたちに「楽しさ」を伝えず、「苦しみ」ばかり伝えていることです。
でもこれは、子育てや教育の場では絶対にやってはいけないことなんです。なぜなら、「楽しさ」ではなく「苦しみ」を伝えられた子は「やる気」を失ってしまうからです。 それでも、脅かし、アメとムチで釣り、大きな声や不安を与えるような作り話で子どもを追い立てれば、「よい子」や「勉強が出来る子」に育てることも出来ます。 それで大人は満足するのでしょう。 でも、そのような親の働きかけが有効に働くのは思春期頃までのことです。 子どもが成長し、大人の権力が相対的に低下し始める思春期頃(小学校高学年頃)になって来ると、押しつけられてきただけの子どもは、それまでの大人からの呪縛をふりほどき始めるからです。 自分の意思で「押しつけられたもの」を脱ぎ捨て始めるのです。 そして、「親の保護」を「親の束縛」と感じるようになり、「自分らしさ」と「自分の意思に元ずく自由」を求め始めます。 親への反抗もその表れです。 その結果、お母さんが苦しみと共に押しつけてきた子育ての成果は、あっという間に崩れ去ります。 子どもが自分の意思を持ち始めることで、それまでの、10年近いお母さんの努力と苦しみの結果が無駄になってしまうのです。 この時点で「どうしたらいいんでしょうか」と相談に来られても、「信じてあげて下さい」としか言い様がありません。 お母さんとの間の信頼関係が失われ、お母さんの言葉に耳を傾けなくなってしまっている子どもにお母さんが出来ることはほとんど無いからです。 でも、苦しいのはお母さんだけではありません。 「押しつけられてきたもの」は子どもの成長を支えてはくれないので、押しつけられることだけで育った子は、からだは思春期でも、中身は幼児期のままだからです。 そして今、そのような状態の子がいっぱいいます。 今朝(6月14日)のニュースに以下のようなものがありました。 大和ハウス工業は13日、自社が施工した賃貸マンション(福岡県志免町)で、飲料水をためる「受水槽」の中で協力会社の作業員が泳いでいたことを明らかにした。泳ぐ様子を撮影した動画がネットに投稿されていた。大和ハウス工業はおわびの文書を発表した。 「自分が犯罪を犯している現場の動画を撮って、ネットにあげる」というようなことを平気で出来るのは幼児の感性です。 確かに、昔から、思春期頃の子どもたちは反社会的な行為や暴力行為をすることが多かったですが、最近の子どもたちの行為は、「反○○」ではなく、結果や影響を予想することが出来ない「幼稚なおふざけ」に過ぎません。 その「幼稚なおふざけ」の延長に「イジメ」や「学教崩壊」も起きています。だから全く罪悪感がないのです。 そのため大人がムキになって怒ってもキョトンとしてしまいます。何で叱られているのか理解できないのです。 そのため強く叱ると逆恨みします。 また、そのような状態の子は大人の世界にも適応できません。「言われたことだけしか出来ない」という以前に「言われたこと」が理解できないからです。 これは学校の成績とは全く関係がありません。東大に行くような成績の子でも幼児レベルの感性しか持っていない子はいっぱいいると思います。 先日話題になっていた「戦争をしないと・・・」と言い、卑猥な言葉を連発した議員も東大卒です。反論文は理路整然としているのですが、自分の立場を客観的に認識できないのです。 だから周囲の人の言葉が理解できないのです。 思春期前の子どもの子育てや教育で一番大切なことは、「楽しさ」を伝えることです。 学ぶ楽しさ、人の話を聞く楽しさ、仲間と協力して活動する楽しさ、工夫する楽しさ、からだを使う楽しさ、創造する楽しさ、想像する楽しさ、考える楽しさ、発見する楽しさ、他の人や仲間と仲良くする楽しさ、などを伝えることです。 「楽しさ」を伝えられた子は「生まれてきて良かった」とか「生きるって楽しい」と感じるようになるでしょう。 その結果、自分の意思で、学び、成長していく喜びも感じることが出来るようになるでしょう。 すると、思春期が来て親から離れても、今度は自分の力で自分を成長させることが出来るようになるのです。 そしてその成長は一生続きます。 ただ問題は、子どもたちに「楽しさ」を伝えるためには、伝える大人が「楽しさ」を知っている必要があると言うことです。自分の仕事や生活を楽しんでいる必要があると言うことです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019.06.14 08:43:12
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