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カテゴリ:きまぐれエッセー
女性はスタイルだとか、男はがっちりした体格だとか、少年のような中性タイプだとか、好みはいろいろあっても、結局はほれた男であれば、ジャガイモであろうがアンパンであろうが、つきあっているうちにだんだんと良くみえてくるものではないだろうか。 自分たちはどう思っているかはともかく、美男美女というより、花とカメムシのようなカップルは存外に多いような気がする。 師匠の時実新子に、「手が好きでやがてすべてが好きになる」という句があるが、ある女性は、「男は手よ、きれいで細っりしたゆびさきに魅力を感じるの。そんな指で首筋に触られたら、もう……」などと言う。 僕の指はゴツゴツと短くて、ときには印刷インキでしっかり汚れていたりする、もう救いようがないのである。 足もとだという女性もいる。太ももからスネ、ふくらはぎからカカトまで全体が含まれるが、重点的には足首と靴だという。 「靴や足もとに気をつかわない男はプレイボーイとしては失格」と断言する。 プレイボーイに目をつけられるタイプとは思えない人がいうのではあるが…。僕の足もとをみたら靴下がたるんでいた。 そしてつづける。さりげなく組んだ足もと、ぴたりと足首にはりついている靴下、きちんと磨かれている靴、こんなところに女はぞくぞくとするのよ、ともうひとりがいう。 そうだよこんな田舎だし、山荘の小径の整備をしてくれば、靴にもドロがつくさ…。 「私は首すじね、息を吹きかけられたらもう…」という女性もいる。 僕が、「ふっ」と吹いてみたら「ピシャリ」と叩かれた。 このえり足が男らしくて汗っぽいか、こざっぱりと清潔かで男の値打ちは決まるという。目線、笑い方、髪、腕、手指……とつぎつぎと出てくる。 もういい、もういいから、僕のようなタイプはどう。皆さんのおっしゃることにことごとく外れているような気がするけれど…。 「あら、Mさんはいい人だから今さら色気なんて必要ないでしょう。ここでモテなくてもなんの不自由もないでしょ。」ときた。 そう、いつだってそうなのである。 どこにいっても、どこかではモテているに違いないと仲間はずれにされてしまう。こういうソンな役回りはけっしてモテるとはいわない。 今日はこれから京都の円山野外音楽堂までコンサートを聴きにいく。きっと、若い女の子がいっぱいいるにちがいない。 えっ、平均年齢が50歳? もっと上!? いいじゃないか、死ぬ前にひと花…。 励ましのクリックを お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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