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カテゴリ:ほろ酔い日記
そのWクンが一昨日から来ていて、2泊していった。先日も書いたが、彼が山に登るというので一緒に登るつもりでいた。 しかし、目標は3000メートル級の山で悪天。前日には北海道で大量遭難があったばかりなので、1800メートルほどにある信州大学の小屋まで行って引き返してきた。 大学の、しらべ小屋と名がついているくらいだから、小さいながらなかなかの居住性。もちろん電気がないから文明の利器といえるのは缶詰くらい。 上空を舞っている雲が、一気に下がってくればたちまちうすくら闇になるような清冽なあたりだが、Wクンと一緒だと、ここに彼女と来たらどうなるかといった話題。 僕の山荘付近が、標高約850メートルだから1000メートルも上がってきたことになるが、そういう軽いノリで登山なんてしていいのか。そうして下山。 途中で気付いたのだが、僕のカメラが壊れている。フードもどこかに消えている。 雨のぬるかみを上り下りするのは意外に神経をつかう。片手にカメラ、背中にリックという格好なのだが、滑ると手はバランスをとるために自然と大きなフリになっているようだ。そうしたアクションのうちにカメラをどこかにぶっつけてしまったようだ。 先日はすっかり空いたので、木曽まで行ったのだが、カメラをもたない行程というものがこんなに心許ないものかと心細い。たぶん、明治維新で廃刀した武士が丸腰で歩いた時がこんな感じてはなかったろうか。 Wクンはそんなことはおかまいなしにパチパチ撮影している。 僕の撮影は、あまり相手に意識させずに撮ることをむねとしている。しかし、彼は大胆不敵。ちょっと不自然な中年カップルの姿をみかけると、前から横から、さあ撮りますよという格好でパチパチ撮っている。 面白そうな人をみつけると、立ちふさがるように撮影している。 タレントが、フライデー(ってまだ発行していたっけ)に撮られるときって、あんな感じなんだろうか。僕には盗 撮スタイルの撮影しかできないのに…。 そのマナーはともかく、カメラをもたない僕は撮影する彼の姿を観察しているしかないが、そこでハタと気付いた。 そうだ、これが俳人あるいは川柳人の眼だ。なんでこんなものに…、というものに眼をとめてパチパチやっている。とにかく彼のデジカメのモニターを覗くと、ゲテモノのオンパレード。いや、ゲテモノとは、悪い意味ではない。 なんでこんなところを撮るのか、ヤギのフグリばかり撮ってどうする。突かれながらダチョウの首ばかり狙ってどうする。犬の尻ばかり撮ってどうする。 と、手持ちぶさたの僕としては思いながら、結局僕もカメラをもつと彼と同じような行動をしているんだなと、ハタと思った。 「人のフグリみてわがフリ直せ」いや、勉強になった二日間だった。 ああねむい。 励ましのクリックを お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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