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カテゴリ:日替わり日記
いよいよ朝青龍が詰め腹を切らされた。 よってたかってひきづり降ろして、角界からの追放という感じではあるが、さて、これは角界にとってプラスになるとの判断だったのであろうか。 朝青龍の数々のスキャンダルについてかばい立てするつもりはない。今度の暴行事件についても、事実とすれば非難されて当然だ。これまでの不祥事からいっても、引退を迫られるのはやむを得なかったであろう。 とここまでは、正論。 しかし、良くも悪くも彼ほど大相撲を面白くした力士は少ないのではないか。 ヒール役をそのまま演じたというより、土俵でも土俵の外でも、見事に実力のあるヒールでありつづけて、(僕にとっては)どこか憎めないところがあった。 普通の場合は、横綱に昇進するときが全盛で、最後には黒星をつづけて惨めな姿をさらして引退してゆくのであるが、こともあろうに優勝という有終の美を飾って引退してゆくのである。 ファイトをむき出しにした立ち合いの姿や、勝ったときのふてぶてしいまでの表情、負けて首をひねる姿、どれをとっても絵になるヒール役だった。 大相撲は、単なる格闘技ではなく国技であり、神事であるからして、横綱は強いのは当然として、品格がなければならないというのが、朝青龍へのこれまでの批判の大きなものだ。 引退会見で朝青龍は「みなさまがたは、品格品格というんですけど、正直な気持ち、土俵に上がれば鬼になるという気持ちはあったし、精いっぱい相撲とらなくちゃいけないという気持ちもあった。」という。 実際にそのように振る舞ってきたということでは有言実行であり、日本人の肥満児力士たちが足元にも及ばなかったことだ。 先々代若乃花も、土俵の鬼と呼ばれ、弟子や実の弟だった先代貴乃花の稽古では、青あざが絶えないほど竹刀で殴り気合いを入れたという。 朝青龍がこれをやったら、またまた問題になるような気がする。 いろいろあっても、勝負の世界では強い者がチャンピオンなのである。 かなり昔の話しになるが、信州出身の力士で雷電為右衛門という力士がいる。 力士生活21年、江戸本場所36場所中(大関は27場所)通算で、黒星がわずかに10、勝率は9割6分2厘という抜群の強さであったが、なぜか横綱は張らなかった。 朝青龍が強いまま居なくなって、仮に日本人力士のなかから優勝者がでたとしても、真のチャンピオンと呼びにくい情況が生まれるのではないだろうか。 いずれにしても、大相撲は曲がり角を迎えている。 昨日の日記で書いた、安治川親方のこと、予想通り立浪一門の慰留に応じて、協会の退職を撤回した。これは、改革がそう簡単ではないぞという証なんだろう。 しかし、このような機会によほど抜本的な改革をすすめていかなかったら、人気は衰退の一途をたどるのではないだろうか。 励ましのクリックを お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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