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2008年06月01日
カテゴリ：アメリカでナースを目指す
いつだったかなぁ。30歳かぐらいの男性が末期がんで亡くなった。
6歳の娘が一人いた。 彼は最後の最後まで死と戦った。 死んで成るものかと、事切れる直前まで苦しみぬいた。 安らかに逝って欲しいと祈る、残されたものの祈りもむなしく 彼の最後は壮絶なものだった。 この患者さんの最後を担当した。 次の日は休みだったけれど、体も心も重くて起きる事が出来なかった。 3日間ぐらい不眠が続き、4日目の仕事に起きる事ができず休んだ。 最後まで苦しみぬいたこの患者さんの痛みをとるために 大先輩ナースのデビーも一緒になって看護をしてくれた。 デビーも次の日、どうしようもない疲れと落ち込む気持ちがあり 私のことを心配してくれて、電話をくれた。 ちょうど電話をくれたとき、夫と何かで言い合いをした後で 私は泣いていた。 いつもなら泣かないようなことなのに、この日は怒りも悲しみも倍増し 涙が止まらなかった。 デビーは前日の患者さんの看護が影響してるからだと教えてくれた。 昨日担当した患者さん。メラノマ（皮膚の癌）から体中に転移していた。 27歳男性。3人の子供がいた。5歳、3歳、1歳。 奥さんは病院でも付きっ切りで看護を手伝ってくれた。 今朝、デビーから来週のミーティングの時間について電話があったので そのときに患者さんがどうなったのか聞いてみた。 今朝、亡くなったと聞いた。 この患者さんも同じように、死を最後まで受け入れなかった。 家族が、友人が、多くの人が彼に最後のお別れをいうために 病院に訪ねてきた。彼の部屋の前には、泣きじゃくる人だかりが出来て その人だかりをファミリールームに移るように何度促しても 彼らは彼の部屋の前を離れようとはしなかった。 患者さんととても近しい関係にある伯母さんが私に話した。 「何も心配しなくてもいいから、逝きなさい。 逝っても大丈夫だからね。って、みんなで言ってるんです。」 そんな言葉を死期が近づく人に家族がかけると 患者さんは安心して旅立っていく。 この患者さんははっきりと伯母さんに言った。 「僕はどこにも行かないよ。まだ死なないよ。」 彼は骸骨のようだった。骨と皮だけだった。 瞼に脂肪がまったくなくなるからなのかは知らないけれど 目が完全に閉じられない。寝ているときも目が半分開いているので 寝ているときも、死んでいるような顔をしていた。 痛みが酷くて、大量の痛み止めを継続的に投薬されていた。 その量だって、普通の人ならばすぐに昏睡するような量なのに 彼はまだ痛いのだといって、投薬量を増やさなければならなかった。 辛い仕事内容だった。 死について考える。生について考える。 この仕事が自分に与える影響について考える。 今日は体が重くてしんどい。 だけどやっぱり、この仕事は多分自分の天職だと感じる。 お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう
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お疲れ様でした。身重でお仕事、それも生死に関わる責任のある仕事ですから、心身ともに疲れて当然です。
若くして亡くなってしまうんですね。癌だなんて恐ろしい。そして後に残ったご家族のことを思うと、やっぱり悲しくなるね。 今こうして生きていられること、病気でなくいられること、来年はこうしていたいって夢を持てること、全部が当たり前のようで、そうでないってことだよね。 大変なお仕事だけど、素晴らしいお仕事ですから、お母さんになっても出来る範囲で続けていってください。キャリアを積むことは立派なことです。 身体に気をつけて頑張ってね。でも今は無理は禁物ね！！ 赤ちゃんは元気？ (2008年06月01日 16時54分14秒)
幼子を残してなくなること、友人がそうでした。2歳の可愛い盛りでした。また5歳2歳を残して乳がんでなくなった友人、思い出します。胎教に悪いですから早く立ち直って下さいね。
(2008年06月01日 21時00分35秒)
赤い花3737さん
ナナ（ベイビー）はよく動くようになりました。動かないときは多分、寝ているんだと思います。私が仕事をしているときは、同じように起きているみたいでよく動きます。昨日はお休みだったので、結構寝ていたみたい。そして、ゆっくり休んだみたいで、今日はよく動いています。 若い末期がんの患者さん（40歳前）は癌が発見されたとき、それが結構進行していたとしてもあきらめないで強力な治療を受け続けることが多いんです。そのバトルのせいで死ぬ前の姿がすっかりとかわってしまいます。やせこけて、骸骨のようになるか、大量のステロイドや治療で顔がふくれあがって色も変って。。。 患者さんを見送るたびにいつもいろんなことを考えます。そして、考える機会をくれたことに感謝をするようにしています。 若い患者さんのときはほんとにきついです。死を受け入れるためのサポートを私達はしなければなりません。時にそれが全く役に立たないのですから、辛いです。 母になればまた、今まで分からなかった患者さんの痛みや気持ちが分かることも増えてくるのだと思います。簡単に、「死を受け入れろ」なんて思えなくなる日が来るのだろうと思います。それはまた、心に影響するのだろうけれど、そこからまた感謝しながら成長していきたいですね。 ナデシコ彦 (2008年06月02日 02時00分24秒)
灯里☆さん
＞幼子を残してなくなること、友人がそうでした。2歳の可愛い盛りでした。また5歳2歳を残して乳がんでなくなった友人、思い出します。胎教に悪いですから早く立ち直って下さいね。 ----- 子供を残して逝かねばならないという辛さを私は知りません。母となってはじめて、それを理解できるようになるのだと思います。 ナナを育てながら、また一歩、人としてもナースとしても成長できることに感謝して、一日一日を大切にしていきたいです。 ナデシコ彦 (2008年06月02日 02時03分23秒)
しんどい仕事を選んでしまいましたね。
でも必要とする人が沢山いる大事な仕事です。 押し潰されずに頑張って続けて下さい。 でも時期が時期だから無理はしないで下さい。 (2008年06月03日 06時12分58秒)
独酌さん
＞しんどい仕事を選んでしまいましたね。 ＞でも必要とする人が沢山いる大事な仕事です。 ＞押し潰されずに頑張って続けて下さい。 ＞でも時期が時期だから無理はしないで下さい。 ----- この仕事、自分で選んだと思っていました。でも職場の先輩・同僚ナース達を見ていたら、私達はもしかしたら、いやきっと「選ばれた者達」なんじゃないかって思いはじめました。 そしたら職場の仲間も患者さんも、ものすごく尊いものに感じるようになりました。 だから多分この仕事、辞めたいって思ってもなかなか辞められないだろうと思います。 ナデシコ彦 (2008年06月03日 13時53分43秒)
私も入院中亡くなった人を見ました。
透析中急変してなくなった人も。 嫌でも生きること死ぬこととはなんだろうと考えてしまいます。 今を精一杯に生きようと思います (2008年06月06日 14時52分52秒) |
