私の両親、昨年会った時は元気だった。
でも2人とも90才近い高齢。
もうあまり遠出もできなくなるだろう。
今年はちょっと無理させてもきれいな海の景色を見せたいと思って、海沿いのホテルを予約した。
ホテルはうちの家からクルマで20分ほどの所。
出て来れる?と電話したら、
大丈夫よ大丈夫!
と母のいつもの元気な声。
両親の家の最寄り駅から電車に乗ったら、一度乗り換えしないと来れないからちょっと心配。
夫と2人、乗り換え駅まで迎えに行った。
予定の時間に無事に着いて、改札出て来た母は去年より腰が曲がって、杖をついてる。
なかなか改札を出てこない父は、精算機の前でもたつき、自動改札でもまたもたついてる。
歩くのにすごく時間がかかる父に合わせて、JRの駅までゆっくり歩く。
前回会ってから1年も経ってないのに、2人ともすごい老けちゃったな。
ホテルのチェックインの時間まで時間があるから、どこか観光に行く?
と聞いたら、
行く行く!
と乗り気の母。
思ったより元気そう。
2人をクルマに乗せて、夫の運転で海沿いの公園目指して走る。
海が見えると大喜びの母。
両親は海から遠い所に住んでいる。
まず昼ご飯を食べに行く。
クルマを降りようとした時、鍵がない言う父。
家の鍵と会社の鍵がついてるキーホルダーなのだと言う。
上着のポケットやバッグの中を探してもない。
クルマの中を探し出したからしばし付き合う。バッグの中見落としてるんじゃないの?
とか、はなから持って来てないんじゃないの?
とか思うけど、探してるふり。
その後もメガネがないと言い出して、ゴソゴソする父。
負けずに母も自分のカバンの中をゴソゴソして何か探し出した。
ランチした店でトイレに行った母を待ってたら、お店のトイレスリッパ履いたまま出て来ちゃった。
それだけでなく、杖をトイレに置いたまま。
杖なくても平気で歩くやん。
2人ともかなり呆けちゃってるなぁ
と思ってたら、さらにうちのダンナだ。
お店や観光地の駐車場にクルマ駐める度、駐車券をどこにやったか忘れてる。
ランチした店のレジで駐車料無料にしてもらえるから、駐車券持っててと言ったのに、上着のポケット、ズボンのポケット、カバンの中、探しまくり。
結果、クルマの中に忘れてる。
両親に負けてないやん!
私も人のことを言えない。
ホテルに両親2人を残して家に帰るから、夕食や朝食のことやお風呂やあれこれ紙に書いて渡したけど、後からあれ言い忘れた!あれ書いておけばよかった!
とか、伝え忘れ多発。
おかげで両親がちゃんとホテルで問題なく過ごせてるか心配で、その夜は眠れなかった。
だいたい、2人ともあんなに呆けてしまってるとは思いもしなかった。
前回会ってから、たった1年で。
実はその1年の間に、2人ともコロナに罹っちゃったらしい。
その後遺症か、母は度々転ぶようになり、父はゆっくりしか歩けなくなったわけだ。
おまけに認知症になっちゃったのかな?
だとしたら、うちの夫の呆け具合は何だ?!
コロナにも罹ってないのに。
とにかく、私たちみんな呆け呆けだぁ〜
ちゃんとご飯食べたかな?
食事する場所、ちゃんとわかったかな?
って心配しながら、翌日チェックアウトの時間の前にホテルに向かい、2人の部屋へ。
お部屋の机の上に、朝食券2枚。
えーっ!
朝ご飯食べてないのー?!
食べた食べた。
朝食券忘れて行ったけど食べさせてもらえた。
と言う。
よかった〜〜
夕食は?
食べたよ〜おいしかったよ〜
あぁよかった〜〜
お風呂も入った形跡あり。
きのうの晩ごはん安かったわ〜
お酒も飲んだのに4千円だったの
と言う母
それオール酒代やん!
晩ごはんはついてるからってきのう言ったよ。
間違ってお料理の分まで請求されてなくてよかったよ。
そんなことも私は心配してた。
1泊2食、前払いしてるのに、手違いで両親がまた払ってしまったりしたらどうしよう…とか。
ホテルがちゃんとしててよかった。
実際、チェックアウト時に支払いは全部終わってるの確認したのに、支払いしますからってフロントに向かう父。
終わってますって言われたのに、母がお土産買ってる間にもう一度フロントに訪ねて、
お支払いは終わってますよ。
ってまた言われてた。
夫が駐車場からクルマ回してるの待つ間にも、メガネがないとまた言い出す父。
お部屋は出る前に確認したけど、何も残ってなかったよ。
食事した場所かもって言うから、また私がフロントへ。
届いてませんて。
もう、恥ずかしいわ。
年寄り親子で何度もフロントの同じスタッフに訪ねてあきれ顔されてるの。
結局、メガネは父の上着の内ポケットから見つかった。
帰りも乗り換え駅まで送った。
改札前で、
無料で電車乗れる券を持ってるの
ってまたカバンの中ゴソゴソ探して、なかなか見つけられない母。
2つ持ってたバッグの一つはお土産でパンパンに膨らんでる。
いやに重いな〜と思ったら、ホテルのミネラルウオーター2本出て来た。
お父さんが入れたの
と言う。
呆れた。
1本引き取るよ
その後駅のトイレから杖持たずに出て来た母。
慌てて取りに行く
5、6人並んでる人たちに
すみません、忘れもの〜〜
って頭下げて一番前に並んだ。
どの個室なの
よくわからない
人が出て来たら確認させてもらう
ないやん!ここじゃないね
こっち〜?
杖取り戻すのに時間かかった。
よかった〜早めに駅に着いてて
ホームまで一緒に行って、すでにホームに入ってた電車に2人を乗せる。
よかった、空いてて座れた。
じゃあ帰るね
乗り過ごさないように、ちゃんと降りてね
心配したけど、無事に帰れたようだ。
こんなにバタバタすると思わなかったよ。
なんとか終了。
呆け老人4人旅。
にほんブログ村
人気ブログランキングへ