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カテゴリ:シンガポール
今となってはお気楽兼業主婦生活を謳歌することに心血を注いでいるわたくしですが、シンガポールに来た頃は前の職業に未練タラタラで仕方ありませんでした。
前の仕事はいわゆるNGO(非政府団体)で、日本では特に海外開発や緊急援助を行うNPO(非営利組織)をこう呼んでいるようです。 結婚した当初マリッジブルーで青々としながら、しつこくもシンガポールで前キャリアにこだわり就職活動をしたところ、以下のことが分かりました。 シンガポールにはやっぱりNGOってほとんどないのね… ない理由。 1.土壌がない。 市民活動的土壌とでも申しましょうか。 でもこれは逆に言うと、(国内的には)政府が適度に市民生活をサポートしているということかもしれません。だから「政府がしないこと、できないこと、(でも本来は政府がやるようなこと)を行う非政府団体がいらないのかもしれません。 また海外への援助活動という観点から、なぜにNGOが(少)ないのかというと、シンガポール人の現実主義と自助精神が関係しているように思います。 来た当初、「ミャンマルでこんな仕事してました~~」というと、だいたい10人中9.5人がポカ~ン(゜д゜)って感じで、(日本の場合は10人中6人くらいか?)まず出てくる質問が、 「お金はどっから出てくるの?」 でした。大体全員そう聞いてくる。(日本人の場合、「あらあそれはそれはボランティアご苦労さま」という…。スミマセン。ボランティアじゃないんですー) 最初は面食らっていた私ですが、よくよく考えるとこんなに根本的な質問はありません。善意でものごと動くなら苦労はしない。まずは資本、元手、Capitalが必要なわけです。 この辺のことは、シンガポール人から学ぶことはたくさんあります。でもまあそういう人たちなので、NGOなんて割に合わないことはしないわけです。 建国36年でここまで来た国ですから、他国(アジア)に対してもシビア。「貧しい?自助が足りないんだろ?」って感じ。(ホンマかいな) 2.宗教に吸収されている 人の善意や援助行為というものは、もともとは宗教、例えばキリスト教のチャリティなどを通して行われてきました。ここシンガポールでもキリスト教、仏教、ムスリムを通してのチャリティ活動は盛んです。NPOとかなんとかフクザツな形態をとる以前に、人々の善意エネルギーはそういう所に吸収されているようです。(だから仕事として発生しないんだよ~ん) 3.やっぱ政府がようコントロールしている 1.の土壌とも重なりますが。例えば私が3回受けて3回とも落ちたシンガポール唯一にして最大のNGOなどは、政府半轄です。Non(非)じゃないじゃん!! さらにシンガにはこうしたエセNGO(財)もたいへん少ない。日本が多すぎるのかもしれませんが。そして国庫を食いつぶしているといふ… (ない理由の他、落ちる理由としては、英語がトロいとか中国語がしゃべれないとかいろいろあります。) 結論。 シンガポールで、いわゆる日本やヨーロッパでいうところのNGO、もしくはNPOは極小なのは、政府も国民もその存在を必要としていないから。 政府:日本みたいに戦後賠償の延長で国益保持しなくていい。 国民:日本みたいに「自己実現しないヤツはダメ」みたいな考え方がないからわざわざ国外まで自分探しにいかなくてもいい。 …なんだかまとまりのない物言いになってきました。 しかし。 なんでまたこんなことを書き始めたのかというと、今日、新聞の一面にこんな記事がっ!→→→ S'pore woos non-progit organizations (シンガポール、NPOに「こっち来て~来て来て来て~~んvv」とラブコール(意訳)) つまり国際的なNPOにシンガポールでの出店を願っているわけです。なんでこんなシンガらしからぬ行いを!?と思ったら、 「いや~NPOって、すっげえいい商売だしな?」(by 経済開発庁) どうやら国際NPOを誘致することについての経済効果に気付いた模様です。 国際会議やるだけで1千万ドル落としていくリッチなNPOもあるらしいですからね。さらに出店ともなればテナントも出る、雇用も拡がる。シンガの安全と通輸と通信環境は売りになる。 そんなわけで今後シンガでは、(相変わらず)政府主導の元、海外NPOセクターへのてこ入れが始まるようです。 化学工業→IT→…と来て、まさかお次がNPOになるとは… (ああ、そして私にも職を…) しかし一応「心」っつー資源も大事かと思われるNPOのお仕事。 シンガポールの潜在性やいかに。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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