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りらっくママの日々

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2009年12月09日
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今日の日記(「ライアーゲーム」「リアル・クローズ」の感想☆ )




「ある女の話:カリナ37(高二生活)」


高二のクラスは楽しかった。
みんな一年の頃より学校に慣れて、
女ばかりの空気を満喫している感じだった。

もともと付き合ってる子、付き合う相手ができた子、
恋の話を聞くことが増えて、
私の周りでは同性の子の悪口を聞くことがほとんど無くなった。
あるのは彼との悩みや片想いの悩み。
彼がいない私は興味津々だった。

未来どんな人と付き合いたいか、
まだ彼のいない子でもそんな話をすると、
何となく目がキラキラしていて、
人を好きになること、
未来に希望を持つことって素敵なことだと思った。

ツライことを話してると、
その時の怒りを思い出すのか、
みんな怒ってる。
そしていっしょに怒ってくれと、
同調しない人間に憎しみが移る。

悪口を話していると、
それに同調した人たちに喜びを覚えて、
でもみんなで笑った笑顔が奇妙に歪んでいて、
後味が悪いのはなぜだろう。

どれも人と関わると出てくることなのかもしれない。
私だってそう。
それは自然なことなんだ。

それでも、「好き」を語るのが一番好き。
その人の好きなこと、
それを聞くことが好き。

嫌なことも悪いことも、
笑って流せるようになりたい。

ずっとそう思っていた。

そういう大人になりたいって。

だからかもしれない。
みんなそう思ってたのかもしれない。

私の周りは、自然とそういう人が集まって、
今和やかな空気が流れていた。

こうして大人になっていくんだきっと。

そう思っていた。


夏休みは、ランニング同好会で何度か学校へ行き、
帰りは先生の車に乗せてもらうこともあり、
一度だけボーリングをして帰った。

クラスの友達と集まって、
ブラブラとショッピングしたり、お茶したりした。

マッシーの家へ泊まったり、
うちへ泊まりに来てもらったりした。

映画をレンタルしてきて、
観終わるといっしょに宿題をやった。

そうして秋がやってくると文化祭があって、
みんな品評会のように、
付き合ってる人や、元中学の仲良し男子を招待して、
「あの人カッコいいね!」
「ええ?!ミィちゃんの彼!」
とかって、囁きあったりした。

私は同じクラスで友達になったユウちゃんの誘いで、
とある男子校の文化祭へ行くことになった。
ユウちゃんは活発で、
男の子と友達になりやすいみたいで、
よく合コンの誘いを持ってきてくれた。

合コンなんて初めてだ。
元同じ中学の男子が、この前いきなりうちに電話をかけてきて、
「合コンしない?」って言われたけど、
名門学校のせいか態度が高飛車だった。

「どうせ女ばっかでつまんないんでしょ?」

仲良い子たちに聞いてみたら、
「ん~、でも野球部か~。坊主かぁ~。」
ってことで、一人断りだしたらみんな断ってきたので、
結局流れた。
ちょっとザマアミロと思った。

みんな学校のブランドに食いつく。
いわゆる頭のイイ学校より、
ちょっと遊んでそうな有名私立付属校に弱いけど、
女子校だから飢えてるんじゃ?的扱いには敏感なんだ。

その話を走った後にマッシーとスギモト先生にしたら、

「女って子供からそれだからな~」

って、呆れた顔をしてた。

「タッチャンだって美人には弱いっしょ?」

「まあな~。まず足首だな!」

「えー?!先生もそんなとこ見るの~?」

「やっぱり人は見た目かぁ~。先生の言う言葉じゃないね。」

「先生も一人の人間ですからぁ~。」

マッシーとスギモト先生は軽口を叩いて笑いあっていて、
私もその会話のテンポが可笑しくて笑う。

先生には言えないけど、
ユウちゃんの持ってきてくれた合コン。
まだ高校生だって言うのに、
ドキドキしながら居酒屋に入って大人のフリをした。

店員も何も聞かない。
大学生にでも見えるんだろうか?
私服じゃ、わからないもんね。

私は、その時の合コンで隣の席にいた感じのいい男の子と、
電話番号を交換した。

同じ中学の男子たちとは何だか違って、
妙に女の子扱いされるのが変な感じだった。

彼女作りたくて来てるんだな…って、
妙に緊張してしまった。

「ありがとう。」

緊張した笑顔の男の子を見て、
私もしおらしくなって、頷いた。

電話は翌日にかかってきた。

もう顔もうっすらとしか覚えてない人と電話のやりとり。
それでも何だかドキドキした。
この人と付き合うことになるかもしれない…って。

中学の時は男子と話すことなんて自然で、
軽口を叩くこともあったけど、
この出会いはそうじゃない。
時々相手が彼女候補って感じの扱いをしてるのがわかる。
それがちょっと煩わしく感じた。

私は男友達が欲しいのか、
恋がしたいのか、
話していて、だんだんよくわからなくなってきた。

二人でまた会おうって約束して会ったけど、
実際会ったらこんな顔だったっけ?って感じだった。
私はどうやら彼のことを結構美化してたらしい。

顔を合わせて話してみたら、
緊張してるからか意外と電話より話がはずまなくて、
自分から話をふることにも疲れた。
そのまま彼の勧める映画を観た。

映画は面白かったけど、
緊張しちゃって、面白さが半減してるのがわかった。

その帰りに公園に行って、
散歩しながら映画の感想をポツリポツリと話す。

「修学旅行のお土産を買ってくるね。
あのさ…
良かったらさ、このまま付き合わない?」

話の流れに驚いた。
私のことを気に入ってくれたらしい。

それって女として付き合いたいってことだよね?

イイ人そうだと思う。
爽やかだし。

でも、女として意識され過ぎてて、
私が好きになれるかどうかがわからない。

ふと言ってみた。

「手を繋いでもらってもいいですか?」

「え?手?」

彼は躊躇しながら手を出した。

自分でもそう言い出したことに驚いたけど、

手を繋いだ時にナゼかわからない違和感を感じた。


  手を繋いだら愛せるかわかるんだって


マッシーの言葉が蘇る。

ホントだ。
ホントにそうかもしれない。

なぜか、この人じゃないな…って、その時ハッキリと思った。

その人は、その握手が私からのオッケーサインだと思ったらしい。

だけど…

私はごめんね…やっぱり、って謝った。

どうしても、
これから好きになれるような気がしなくなってしまったのだった。

私ってヒドイな…
って、その時思った。


「彼、見た目悪く無いし、いい人そうだったのに、何で~?」

放課後のランニング同好会に出る前、ユウちゃんが聞いてくる。

「ん~。よくわからないんだけど、手が…」

私は言いながら口篭る。
迎えに来たマッシーと目が合った。

「手を繋いだ時に何か違うかな…って思ったの。」

「何ソレ~!」

ユウちゃんは呆れた声を出した。
ベタベタしてたの?とか、何が違うの?とかって、
不思議そうにしてた。

その話を聞いていたマッシーは、クックと笑ったけど、
目は、あの話だね?って頷いていた。

私はマッシーの目に励まされて、
自分の中で思ったことを話すと、
ユウちゃんはふーん…と興味深そうに納得していた。

「ヒドイけど、面白いね、カリナって。」

以来ユウちゃんは私をカリナと呼び、私はユウちゃんをユウと呼んだ。

出会いはその後何度かあったけど、
電話だけで終わっちゃったり、
友達といっしょや二人だけで会ってみるってことがあっても、
私に彼氏ができることはなかった。

私の高校生活は穏やかに終わろうとしていた。

だけど、マッシーは違う。

高三。

期待してたけど、
マッシーとはまた違うクラスだった。

でも、

私の担任はスギモト先生だった。




前の話を読む

続きはまた明日

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最終更新日  2009年12月09日 20時21分01秒
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