カテゴリ:ある女の話:カリナ
今日の日記(出会いは作るモノだなぁ~と「JIN~仁~(最終回前週)」感想☆)
「ある女の話:カリナ45(女子旅行)」 涼しいって言われてる高原の昼間は蒸し暑かった。 みんなで運転を変わりながら目的地へ。 お昼は調べておいた美味しそうなレストランに入ってみて、 みんなで美味しくて幸せだね~! なんて言いあう。 デザート食べちゃう? 明日テニスするからカロリー減らせるしね! 内風呂が広いって言ってたけど、どうなんだろうね? なんてワクワクしながら話してると、 何だか昨日あったことが嘘みたいに思えた。 ミツルと付き合ってる日常は遠い夢の中のことで、 ホントはこっちが本来の私の世界なんじゃないかな…って。 だって、私はまだ学生なんだし、 結婚してるミツルと、客観的に見たら不倫してたなんて、 認めたくない。 だけど… ようやくペンションに到着して荷物を降ろすと、 ちょうど夕焼けが遠くに見える山に沈んで行くところで、 まるで絵のように美しかった。 緑の香りとちょっと湿った涼しい空気が心地いい。 本当に来て良かったと思った。 みんなで夕飯って言われる時間までトランプをして過ごす。 トランプは、なかなか性格が出るもので、 ユウが意外と策士だったり、 マッシーが正直そうに見えて嘘つきだったり、 ミキが負けず嫌いだったりして面白かった。 夕食はそのペンション自慢のコースって言うのが出てきて、 これまたオナカいっぱいだった。 みつけてきてくれたユウにみんなでお礼を言った。 私たちはみんなで貸切の札を下げて少し広い家族風呂に入って、 露天風呂から、いつもとは違う星空を眺めた。 こんないい景色なのに、 ミツルとのことがチラリと心に浮かんで、 何だか重くて暗い気持ちになった。 離婚 ホントにするのかな… 時間がかかるって言ってたけど、 私… そんなこと望んで無いな… 「どしたの?カリナもうのぼせた?」 マッシーが私の顔を覗きこんでて、 ミキもユウも私の顔を見た。 「カリナ、色白いから赤いとすぐわかるね~!」 「そう?でもすぐ黒くなる方だよ。 ミキは日焼けすると赤くなるんだよね?」 「そうなの。すぐ戻っちゃう~!」 私は深刻にならないように、気をつけた。 「博多人形のようだねぇ~」 マッシーが言うと、 「どこのオヤジだよ?」 ってユウがツッコミを入れる。 マッシー痩せたんじゃない?とか、 ユウって足長くていいな~とか、 胸を大きくするにはどうしたらいいの?とか、 みんな体の話になると何だか照れ臭くて、キャッキャと笑い合った。 温泉から出ると、 またみんなでトランプの続きをした。 途中で買ってきた缶チューハイを飲みながら。 そうすると、ちょっとみんな気が緩んできて、 今の心配事や、ちょっと聞きにくいこととか話し始める。 「今さ~、実はヤバいんだよね…。 彼以外に気になる人が出てきちゃった…。」 そう切り出したのはユウだった。 彼と卒業後には結婚するとかって、ずっとラブラブだったのに、 一体どうして?って、みんなユウの話に聞き入った。 「ん~、別に、モトくんのことは今でも好きなんだよね…。 でも、何だろ…。 今やってる短期のバイトでさ、話してるうちに、何て言うか…こう… 自分にすごく近く感じるって言うか…。 気になってしょうが無いって言うか…。 あ~、何かこういうの浮気?」 「思うだけなら浮気じゃないんじゃない?」 マッシーが冷静に言う。 「そうね~、やっちゃったら浮気。」 ミキがぶっちゃけて言う。 「どこまで?!」 真剣にユウが言うからみんな笑い出した。 「ん~、でもキスしたらもう浮気じゃない? いや、キスしちゃうような気持ちになったらヤバい?」 私が言う。 正直こういう話の方がありがたい。 もしも私の話をしたら、みんな、かなり食いついてくるかな… とか思ったけど、 暗い話になっちゃうのもわかってるので切り出しにくい。 「わっかんないよ~。 やってみてから浮気か本気かわかるんじゃない?」 ミキは経験値が高いのか恐ろしいことを言う。 「そんなもん?」 「後悔したら浮気、後悔しなきゃ本気。」 おお~!とみんなが感嘆の声をあげる。 「いやでも、やっちゃったら後戻りできないでしょう。」 マッシーが言う。 「後戻りを考えるようならまだ大丈夫よ~。 本気になっちゃったら、そんなこと考えたりしなくない?」 ミキの言葉に、 ん~、とか、そうかも~とか、 まだそんな境地になったことが無いとか、 みんなそれぞれ思ったことを口から出す。 「ふざけてキスできる?」 「酔ってればアリかな~?気があれば?」 「うそ?!私は無し~!」 「キスしたら意識しちゃって好きにならない?」 「ああ、あるある。」 「あるのっ?!」 「何よ?食いつくね~?!」 みんなでクスクス笑いだして、それぞれこんなヤツだったのか?!ってことに笑う。 楽し過ぎて、何だかますます言い出しにくくなった。 自分が悩んでいること。 重過ぎる…。 ミキとユウ、私とマッシーで、 部屋は二つ取ってあったので、 名残り惜しみながら別れた。 いっしょの部屋にできるとこにすれば良かったね~!とかって言いながら。 マッシーと二人だけになって、 部屋を暗くすると、 私はちょっと悩んだ。 軽い調子で言うにはあまりにも内容がヘビー過ぎる。 みんな引いちゃうかもしれない。 みんな大事な友達だから、聞いてくれるかもしれないけど、 旅行の雰囲気を壊しちゃうかもしれないし…。 やっぱり黙っておいた方がいいのかもしれない。 「カリナ…寝た?」 マッシーの声が暗がりから聞こえる。 「ううん。まだ。」 私はちょっとホッとした。 マッシーもまだ起きてたんだ? 「何だか元気無い…ってこと無いよね? 疲れた?」 「うん、結構疲れちゃったよ。」 流石マッシーだな…なんて思った。 「マッシー、重たい話かもしれないけど、聞いてもらっていい?」 「ん…?いいよ。どしたの?」 「ミツル結婚してた。」 マッシーからすぐに返事は無かった。 驚いてるのかもしれない。 「私、バツイチって聞いてたんだけど、 昨日バイトの子から聞いちゃったんだ…。」 マッシーがため息をつくのが聞こえた。 「不倫ってことだよね?ヒドくない? 騙されてたってこと? カリナはそれでいいの?」 マッシーは私の代わりに怒ってるようだった。 それで、私の方が何だか冷静になってしまう。 同時に少し嬉しい。 「ううん、嫌だよ。 でもね…、そのことを昨日ミツルに言ったら、 離婚するから結婚しようって。」 マッシーはちょっとホッとしたのか、 穏やかな声に少し戻った。 「そっか… それなら良かったけど…。 でも、良かったって言っていいのかわかんないって言うか…」 マッシーのその言葉を聞いて、 私は話していいのか迷った。 私は軽蔑されるかもしれない。 「うん、そうだよね。 それに… 私、離婚させてまでミツルといっしょにいたいって思えなかったの。」 「じゃあ… 別れるってこと? 彼にそう言ったの?」 「ううん…まだ…。」 「それって、好きだから…?」 「…」 マッシーの言葉に私は迷う。 マッシー。 マッシーに嫌われるのが怖い。 マッシーに軽蔑されるのが怖い。 「どしたの?カリナ泣いてるの?」 私は言っていいのか迷う。 悩んでることを。 でも、涙といっしょに言葉が溢れてこぼれ出した。 「マッシー、私ホントはよくわからないの。 ミツルのこと、ホントに好きなのか、よくわからなくなっちゃったよ。 ううん、もしかしたら、そんなに好きじゃないんだと思う。 それがよくわかったよ。 だけど…」 マッシーが起き上がって、私の側に来た。 小さな明かりを点けて、 泣いてる私の肩を抱いて、ティッシュを渡してくれた。 「別れなよ。 別れた方がいいよ、カリナ。」 「うん… うん、だけど…」 「何?」 私はマッシーの目を見た。 マッシーは真剣に私の目を見ていた。 私の口は自然に悩んでいた言葉を吐き出した。 「生理が来てないの…」 前の話を読む 続きはまた明日 目次 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年12月17日 21時17分12秒
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