桜
我々夫婦は何かと“桜”に縁がある。そのため、結婚指輪も子供の名前を刻んだ指輪も、桜のモチーフを用いたデザインを採用し、娘の名前にも「桜」の文字を入れた。咲き誇る姿も、散りゆく姿もいとをかし。我々夫婦は、団子よりも花である。で、今回紹介する人物も“桜”が好きらしい。台風の季節にする話題ではないかもしれないが。その人物は、かつて人気監督だった。その人物は、かつて数々の打撃タイトルを獲得した。その人物は、かつて数々の名言を残した。……野村克也?そう感じた人は残念。答えは、長嶋茂雄である。長嶋の桜に対する愛情、愛着は、彼のもう1つの名前が証明している。その名も、桜井。これは、隠れ家などで使う“偽名”である。更に、長嶋は初めに構えた上北沢の家にも、その次の田園調布の家にも桜の木を植えている。日刊スポーツで長く巨人担当を務め、編集局長、社長なども歴任した三浦巳一郎氏は、『ONにも青春時代があった』(日本経済新聞出版社)という著書の中で、長嶋の意外な一面に驚されている。「敷島の大和ごころを人問わば 朝日に匂ふ山桜花」なんと、若かりし頃の長嶋が、こんな和歌を諳んじていたのだという。因みに詠み人は、江戸時代の国学者・本居宣長。第二次世界大戦では神風特攻隊が、「敷島隊」「大和隊」「朝日隊」「山桜隊」と、部隊名に使ったことでも知られている。まァ、有名っちゃあ有名な歌ではあるが……。あのミスターが!「雨降ってグラウンド固まる」とか、「失敗は成功のマザー」とか、「鯖という漢字は魚扁にブルー」とか、「メークドラマ」とか、「レフティーズ」とか、妙に英単語を使いたがる、あのミスターが!そして、幼かった一茂を球場に置き去りにしたり、本塁打を打ってもベースを踏まなかったりと、妙に忘れっぽい、あのミスターが!和歌を諳んじるとは!!!!!長嶋は「オーラ」が「オーロラ」になったり、「蛍の光」が「君が代」になったり、「広沢」が「広岡」になったりと、かなり言い間違いの多い男だが、この歌に関しては、それさえもナッシング!それもこれも、桜への愛着があってこそ。言われてみれば、日本の国花たる桜と、日本プロ野球の象徴たる長嶋茂雄と、何となくわかる気もする。昔、野村克也は長嶋を“向日葵”に喩えたが、実のところ、本人としてみたら……。「イヤイヤ、僕ァ、向日葵より桜が嬉しいなァ」なんて思っていた可能性もあるわけで。余談だが、その野村、ヤクルトの監督を務める前、長嶋から説教をされたことがあるらしい。とある小料理屋に呼び出された野村。お叱りを受けた中身は……。「名球会の集まりに出ろ!」とのこと。同学年2人、妙な関係である。☆☆☆オリックスは4連勝で4位と4ゲーム差に。赤田が今季楽天戦3度目のサヨナラ打を放ったり、スンヨプが古巣にまたも恩返ししたり、バルディリスのスーパー化が止まらなかったり、駿太が再び一軍に上がってきたり、三塁コーチが松山さんから高代さんに替わったり、乱打戦の中でフィガロが勝ち星を拾ったり……。後藤の連続安打が26で止まったり。故障者続出、再建モードのロッテに勝つのは当然。問題は、マジックが点灯したソフトバンクとどこまで渡り合えるか。このところ、神戸の花火デーは勝率が良くないし、接戦ばかりで平野・岸田の負担が大きいが、今日の金子はどうだろうか?Please crick here !!