怒りを落ち着けることはできるのか? ~「かまど」という自分を育てる~ (2023年11月18日記事)
過去を思い出してみて、怒ったときや怒りを爆発させたときの思い出は、だいたい悪い思い出として残っているのではないでしょうか。「あのときは怒りをぶつけたけど、いい思い出として残っているな~」という人は少ないはずです。つまり、怒っていいことはない(少ない)ということです。 怒りというのは、誰かが自分の火種にマッチを投げ入れて、怒りの炎が点火するようなものです。それが燃えると、自分も相手も傷づけてしまうというのが、多くのパターンでしょう。では、この怒りを落ち着けることはできるのでしょうか? 建設的なエネルギーへの置き換え怒りを爆発させてばかりでは、すべてを焼き払ってしまうようなものです。それではいけないので、怒りを包み込むことが必要になります。 怒りは抑圧するのではなく、積極的な行為と入れ替えることです。まず、怒りを感じたときは、それを認識することです。自分の怒りを認識してから、その感情と前向きな感情を入れ替えることを想像します。 怒り、憤り、憤慨は建設的なエネルギーに置き換え、解消できるのです。それを理解する必要があります。まずは怒りを感じたときに、「自分は怒りを持っている」と認めることを忘れないようにしなければなりません。 「かまど」という自分を育てる怒りが出てきたとき用意するのが、「かまど」です。本物のかまどではありません。自分をかまどと見立てるのです。 かまどがあれば、火(怒り)のエネルギーを活用できます。火が燃えていれば、その火を使って料理ができます。その火で、湯を沸かすこともできれば、他の人を温めることもできるでしょう。そのように、自分を出来のいい「かまど」に育てていくのです。 怒りなどのネガティブな感情で苦悩しないためには、かまどと見立てた「自分を育てていくこと」が必要なのです。 人生を遊ぶ人、苦悩する人ときには怒ることも必要になるかもしれませんが、ほとんどのことは、ぐっとこらえた方がいいのだと思います。瞬間的に怒りが出てきたら、いちど深呼吸をしたほうがいいのかもしれませんね。 ここで「ホモ・パティエンス」と「ホモ・ルーデンス」という言葉を見てみましょう。 「ホモ・パティエンス」とは、ユダヤ人精神医学者ヴィクトル・フランクル(1905-1997)が提唱した用語です。「パティエンス」には、「苦悩に耐える」という意味があり、苦悩する人間を定義しました。 「ホモ・ルーデンス」とは、オランダの歴史学者ヨハン・ホイジンガ(1872-1945)が提唱した概念です。ホイジンガ曰く、人間とは「ホモ・ルーデンス=遊ぶ人」だと言います。人類が育んだあらゆる文化はすべて遊びの中から生まれており、遊びは文化に先行しています。つまり、遊びこそが人間活動の本質である、とホイジンガは言います。 ホモ・サピエンスが「賢い人」、ホモ・パティエンスは「苦悩する人」、ホモ・ルーデンスは「遊ぶ人」。さて、人間は一体どれなのでしょうか? 人間は何にでもなれると思います。それは感情の使い方で変わってくるのです。そして「何をフォーカスするのかでその人が決まる」のだと私は思います。 人生は苦である、と苦悩にフォーカスしていれば、そのような生き方になるでしょう。人生とは楽しむためにある、とワクワクにフォーカスすれば、そのような生き方になるでしょう。 怒りをどう使うかも、その人のフォーカスによって変わってくるのだと思います。怒りのエネルギーを使って何かを壊してしまうのか、怒りのエネルギーを使って何かを作っていくのか、エネルギーの使い方によって結果が変わってくるのだと思います。 怒りのエネルギーを、建設的なエネルギーに置き換えるために、自分の「かまど」を育てていきましょう。それが苦悩する人を少なくする手段だと信じていきたいですね。 それでは読んでいただき、ありがとうございます。 【関連記事】・禅僧、藤田一照だけど「禅について」質問ある? | Tech Support | WIRED Japan・「内なる感覚」「否定的なイメージから自分を守る手段」「健康」などについて ~セスのまとめ⑬~(2022年10月17日記事)ブログ村の「本ブログ」のランキングに参加中です!いつも応援クリック、ありがとうございます♪