テスラ、自動運転オプション値上げ
2018年3月、米国カリフォルニア州マウンテンビューでテスラ「モデルX」のオートパイロット作動中に、ドライバーがスマホゲームをしていて、自動車専用道路の分岐点のコンクリート分離帯に時速70.8マイル(約114.2km/h)衝突し死亡する事故が発生した。 テスラは、オートパイロットに関し、「あくまでドライバーの運転支援に使用されることを目的とした機能であり、ドライバーは(不測の事態などでは)常に運転に介入する準備をしている必要がある」と主張した。 オートパイロットは、いつでも運転者が運転を代われるように準備していなければならないということ。 その後もオートパイロットは随時バージョンアップし、同じレベル2ながら着実に進化を重ねている。 そして今回、価格のアップがニュースとなった。 ベータ版でも100万円ごえ。テスラの「フル自動運転」オプションがまた値上げ2020年11月4日 GIZMODO夢のプライスは、青天井? 米テスラ・モーターズは10月30日、同社のイーロン・マスクCEOの予告どおり、「フル自動運転(FSD)」ソフトウェアオプションの価格を1万ドル(約105万円)に引き上げました。 これに先立ってテスラモーターズの「フル自動運転」ソフトウェアの限定ベータ版がリリース開始されており、一部の顧客は自動駐車やレーンステアリングなどのドライバー支援機能を路上で使用できるようになっています。 イーロン・マスク氏は価格変更を発表したツイート内で、同社のベータ版が公開されるに伴って世界中の市場でも同等の価格上昇が見られるだろう、と予言。 彼は以前、「ソフトウェアが年内にはネットワーク全体にリリースされると期待している」ともコメントしています。 完全自動運転にはまだ達していないけど 同社が提供するテクノロジーはまさに夢の技術ですが、今の段階ではまだ「フル自動運転」には及ばない、というのが正直なところ。 テスラ自身もベータ版プログラムのユーザーに対して、同ソフトウェアはいまだ慎重に監視する必要があり、「最悪の場合、誤作動する可能性がある」と警告しています。 米国自動車技術者協会(SAEインターナショナル)が定義する5段階評価の自動運転技術に照らし合わせると、今回リリースされたテスラのテクノロジーはレベル2相当。 人間の手がまったくかからない、いわゆる「真の自動運転」とされるのはレベル4以上であり、まだまだドライバーの介入が必要とされる水準です。 テスラはこの2年ほど、着実にフル自動運転オプションを値上げしてきました。 「完全な自動運転車なんて…」とやや懐疑的な世の中に屈することなく、マスク氏はドライバーの「自動運転車って、すごい夢。乗ってみたい!」という熱い思いを着々と利益に還元しています。 価格の推移をみると、2019年5月に5,000ドルから6,000ドルにアップ。 その半年後には7,000ドルに、今年6月には8,000ドルに跳ね上がりました。 こうした急激な値上げについても、マスク氏は「享受するテクノロジーに比べれば、大した金額ではない」といった主張を繰り返しており、「10万ドルを超えたあたり」に落ち着くだろう、と見通しを述べていました。 ― 引用終り ― どうやらテスラは収支を考えたビジネスの道を歩み始めたようだ。 10万ドルのオートパイロットについて、「金を払うに値する」と考える人物が世界中にどれぐらいいるか、ということが考察のテーマとなる。 開発費用や価値に見合った顧客を数多く探すのは、けっこう困難な課題。 多くの自動車メーカーは量産によるコストの分散をはかってきた。