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児童小説

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千菊丸2151@ お久しぶりです。 仙人草さま、お久しぶりです。 イケ君…
mifess@ お元気ですか 2012/03/01 仙人草21さん >その後、記事の掲載が進…
仙人草21@ こんばんは。    mifessさんへ お元気でお過ごし…
mifess@ お元気でいらっしゃいますか? 生活環境が種々変化してくると、言葉に出…
仙人草21@ kyonkyonさん、こんにちは! いつも温かいコメント、ありがとうござい…

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* 一葉 *さん

Jan 16, 2008
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カテゴリ:カテゴリ未分類
 ぼくは、イケが野島さんを好きなことは知っている。

でも、だからと言って、イケにそんな目で見られなければならないことなんか、ない。

ぼくは、野島さんを意識したことないのだし。

「何だよッ。何とか言えよ!何て書いてたんだよ!」

「まだ、開けてない。誰なのか判らなかったからだよ」

「何だよ、ルイ。見てないのかよ。可笑しな奴ッ」

「可笑しな奴だって、いいよ。だって、気味が悪かったし」

「ノジなんだから、いいじゃんか」

「でも、野島さんなのかは、はっきりは判らないじゃん」

「だったら、早く開けてみろよッ。気になるしィ」

 ぼくは黙っていた。

ぼくに来た手紙を、開けるか開けないかは、ぼくが決めることだ。

「ルイんち、オレ行くよ」

 イケはそう言った。でも、ぼくは、いい気がしなかった。

どんな手紙なのかは判らないけれど、見せるとは言ってない手紙を、イケが当然のように見る

気満々だったからだ。それに、ぼくの家に押しかけてきて。

「いいよ、来なくたって。ぼくは、手紙、イケに見せるかどうか、まだ決めてないし」

「何だよッ。見せろよォ」

「決めるのは、ぼくが読んでからだよ。もしも、見せると決めたら、明日、持って来る」

 ぼくは、突っぱねた。

「お前、や(嫌)な性格ゥ。だから、いじめに遭うんだよ」

 ぼくは、むかついた。

「そんなの、関係ねー。そんなの関係ねー」

 ぼくは、イケの真似をして言ってやった。

イケは、いい奴だけど強引だし、自己中だ。

 イケが笑いだしていた。

「ルイ、お笑いのセンスあるじゃん。見直したよ」

 褒められて悪い気はしないけど、ぼくはただ、イケの真似をしただけだ。

ぼくは、どうアクションすればいいんだろう。

 イケは急に、方向転換して言った。真顔だった。

「オレ、ルイんち行かねーよ。そのかわり明日、きっと、手紙見せてくれよな。オレよ、ノジ

のこと、心配なんだよ。学校来なくなったしな」

 これが、イケの本当の気持ちなんだと、ぼくは思った。

イケの優しさは、強引と自己中で隠されてしまっているんだ。

「イケ、分かってるよ。ぼく、明日持って来るから」

 ぼくは約束して、イケと分かれた。でも、何が書いてあるのか、急に気になった。

ぼくは、走りだしていた。家に向かって一目散に。

                           つづく





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Last updated  Jan 17, 2008 12:25:42 AM
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