カテゴリ:本の感想(た行の作家)
高田郁『天の梯 みをつくし料理帖』 ~ハルキ文庫、2014年~ 料理人・澪さんが活躍するシリーズ最終刊です。 今回も反転で。 (ここから) 親友の美緒さんの苦しみをなんとか共有したい、彼女のための料理を作りたい……澪さんは強く思い、葛を使った料理を考えます。また、鼈甲珠を吉原で売ろうとしますが、一度は大きな失敗もしてしまいます。 そこで、伝右衛門さんに相談をもちかけます。つる家のりうさんならどうするか、と考えながら、澪さんは少しずつ鼈甲珠の販売に成功していきます。一方、つる家の新しい料理人・政吉さんは、見てくれは悪いけれど最高に美味しい料理を、お客にも提供することを許されます。お客さんの反応は果たして…。 またある日、芳さんの夫、柳吾さんが捕まってしまいます。大変な料理を作っていた、というのですが、潔白は芳さんも澪さんも分かっています。そんな中、芳さんの息子、佐兵衛さんが澪さんのもとを訪れ、ある決意を語ります。 そして。野江さんを身請けするための四千両を集めるには、あまりに道が遠い澪さんが考え出した秘策とは。さらに、澪さん自身も、自分の素直な気持ちに向き合い、幸せな道へと歩んでいきます。 (ここまで) 10冊、一気に通読しました。 これは面白かったです。ミステリ以外でこれだけ楽しんで、一気に一つのシリーズ全巻を読破したのは、12年前の「赤毛のアン」シリーズ以来です。 つる家の人々、お客さんたちの素敵なこと。いつもぷりぷり起こっている戯作家の清右衛門さんが、どんどん素敵に思えてきたり、又次さんの笑顔だったり、ふきちゃんの成長だったり、種市さんの悲しい過去や澪さんへの思いやりだったり……。10巻全て読み終えて、いろんなエピソードがどんどん思い起こされます。 「みをつくし料理帖」シリーズに出会えて良かったです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.04.25 13:35:05
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