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2020.02.12
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瀬那和章『雪には雪のなりたい白さがある』

~創元推理文庫、2018年~

 

 公園をテーマにした連作短編集です。

 それでは、簡単に内容紹介と感想を。

 

―――

「雨上がりに傘を差すように」横浜に憧れ、横浜の大学に進学した果歩だが、自分のセンスなどに引け目を感じ、友人もつくらない生活を送っていた。ある雨の日、港の見える丘公園で一人の老人と出会い、傘を貸してあげる。その後も、雨の日だけ、公園で老人に色々な悩みを聞いてもらっていた。ある日、老人から、一つの頼み事をされる。行き先での果歩の何気ない一言で、老人は態度を豹変させるのだが…。

 

「体温計は嘘をつかない」別れた妻・真帆に、5歳になった息子を見せるため、俺は5年ぶりに思い出の公園(あけぼの子どもの森公園。現在、トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園)を訪れた。二人の話題は、やがて離婚のきっかけとなったあの日のことになり…。

 

「メタセコイアを探してください」佐藤葉助は、バードウォッチングのため、毎日のように石神井公園に通っていた。その公園では、今は活動を休止している、若者に絶大な人気を誇る女性シンガー・相沢ミアも、犬を連れて散歩していた。かつて、彼女の言葉で救われ、彼女に声をかけたいと思う葉助だが、なかなか声がかけられない。そんな彼に、「秋の妖精」を名乗る中学三年生が声をかけてきた。ミアと話すきっかけを与えてくれるというのだが…。

 

「雪には雪のなりたい白さがある」中学生の頃の恋人・英治とは、彼が家庭の都合で海外に引っ越すこととなった際に別れることとなった。しかし、その際の彼の約束に、瑞希はすがっていた。数年ぶりの同窓会で英治とは会えなかったが、彼の近況を知り、瑞希は一つの覚悟をすることとなる。

 

「あの日みた大空を忘れない」瑞希との思い出の場所、所沢航空記念公園を訪れた英治は、偶然出会った同窓生から、彼女の近況を聞くこととなる。悩んでいた英治も、ここでひとつの決断をすることとなる。

―――

 

 瀬那さんの作品を読むのは初めてですが、背表紙を眺めていて素敵なタイトルにひかれ、表紙をみてイラストも好みで、裏表紙の内容紹介はほぼ見ないまま、迷わず購入しました。

 創元推理文庫から刊行されていますが、いわゆる謎解きに主眼はありません。あえていえば、主人公たちが解くのは、自分自身の思いなのだと思います。

 どれも好みの物語で、本書に出会えて良かったです。

 

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Last updated  2020.02.12 23:43:35
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